1995年〜2000年


雨→山→川→海→雨という水の循環の中で、植物や山の獣たち、川や海の生きもの達、全てのもの達が生かされています。
私達も海に抱かれ、山に見守られ、自然の営みの中で生きてきました。
しかし今日、山は荒れ、川は汚れ水量も少なくなり、海の豊穣は失われつつあります。
私達は受け継いできた自然を守り、育ていく必要はないのでしょうか?
このような想いから「天明水の会」は自然の再生を願うべく、「漁民の森」「子供の森」「有明の森」と緑川上流の山々に木を植え続けてきました。
今回、農林水産省は、海の荒廃を憂え、海の再生を願って山に植林する漁民の願いと、環境に目を向け始めた市民の願いを踏まえ、「漁民の森づくり活動推進事業」を五ヵ年計画で発足させました。
私達はこの事業の実施にあたり、水産庁からの助成を受け、「よみがえれ緑川、有明海、そしてふるさとの山々」事業を行う事にしました。
山に木を植え、森づくりをするには長い時間が必要です。この時間を託すのは将来を担っていく子供たちのほかありません。
いのちと環境という21世紀の課題を、具体的な植林活動を実践する中で子供たちと共に考えていくこと、環境の保全から環境の創造へと目を向けていくことが、子供たちの生きる力の醸成に大きく寄与するものと信じております。

会長挨拶 推薦のことば
事業の流れ 森づくりの方法
子供たちの声…画像見れます

 会長挨拶

 会長 浜辺 誠司

豊かな自然環境のもと、人が人らしく生き生きと生活していくことが、私達「天明水の会」の心からの願いです。
この願いから「水」をとおして地球環境を考え、会員の自主的な活動によって地域の発展と文化の向上を目指し、町づくり、人材の育成などを計画的に推進する事を目的とした諸活動を行っています。
今回の森づくりも、子供たちへの環境教育を活動の主眼において地域に根ざした活動の一環として行うものです。
樹を植え、育てることは、とりもなおさず人を育てることではないでしょうか。
ぜひ、この事業に参加されますようご案内申し上げます。


推薦の言葉

「よみがえれ緑川、有明海、そして、ふるさとの山々」事業 推薦の言葉

 熊本県教育長 田中力男

環境問題に対する社会の関心が一層高まる中で、学校・家庭・地域社会が一体となって、快適な環境を守り育て、次代に引き継ぐことのできる人づくりを行っていくことが求められています。
天明水の会におかれては、有明海の再生の為に、その源流の一つである緑川流域に生活する人々に呼びかけ、植林や清掃活動を続けてこられ、7年になると聞いております。
その結果、住民の環境に対する意識の高まりが見られ、山や河川をきれいにすることはもちろん、家庭排水や廃棄物の不法投棄等にも地域の方々の厳しい目と声が注がれるようになったことは大きな成果であります。
県教育委員会としましても、子供たちが身近な環境に関心と理解を深め、環境とのふれあいを通して、環境にやさしい心情を育むとともに、環境保全活動や環境問題の解決に意欲的にかかわろうとする態度や能力を育成することを目的として環境教育推進事業を実施しているところですが、前述した当会の活動は、まさにこの目的と一致するものであると考えます。
このたび、当会において実施される標記の事業は、具体的な植林活動や啓発活動を通して環境問題の解決を図るなど、教育的な価値が高く、本事業に参加することは児童生徒及び教職員にとって意義あるものと考えますので、各学校におかれましては、その趣旨をご理解のうえ、御協力方よろしくお願い致します。

熊本県漁連会長ご挨拶

 熊本県漁業協同組合連合会 代表理事会長 井手 正徳

わが国は周囲を海に取り囲まれた島国であり、豊かな漁場に恵まれた世界でも指折りの水産国として、私ども漁業に関わる者は多くの恩恵を受けてきました。 
また、漁業が水域の自然環境に大きく依存する産業であるということは言うまでもないことでありますが、最近漁業者自身がようやく森と川と海は一つの生態系で結ばれており、水産動植物が生育する為の良好な環境を確保するためには森・川・海を通じた幅広い環境保全の取り組みを推進していかなければならないことを認識し、まず漁業者自らが率先して山に登り、木を植える活動を全国各地で展開するようになりました。
このようななことから農林水産省はこの活動を国民的な運動にまで広げるために今般国の事業として「漁民の森づくり活動推進事業」を実施し、実施団体等に対して苗木等を支給する事になりました。
本県におきましても、本会を事業主体として「天明水の会」他二団体が本事業に参画する事になり、特に「天明水の会」については、緑川流域の各小・中・高校に広く呼びかけて植林活動を実施する事になりました。
学校各位におかれましては、総合学習などの植林活動を通じ、子供達が豊かな感性を育みながら、森と川と海のつながりを通して、わが国の豊かな自然を再確認し、自然への畏敬の念を持つ一助になれば幸いであります。
どうか、本事業の推進に是非ご理解を賜り、本事業を積極的に活用されますよう切に願っております。