(K16)アクセサリー類 

Up 2022.07.22

(K16)アクセサリー類

●(K16-1) TD7104 プリスケ &ミリバル・・本ページ

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●(K16-3) タッチ・エレキーPIC12F1822・・別ページへ

● アナログスイッチ SPDT SN74LVC1G3157の説明、へスキップ(本ページ後半)

 (K16-1, 2, 3 ) キットをご入用の方は、頒布◇PICの頒布 をご参照ください。



●(K16-1) TD7104 プリスケ &ミリバル

 プリスケーラ(TD7104, 1/1,1/2、1/4、1/8、〜1.0GHz)と、ダイオード検波ミリバルを一緒に組み込んだ自作便利ツールです。

基板サイズは、40mmx60mm。 タカチのプラケースSS-90に組み込めるように基板のビス位置を決めているので左写真のように組み込めます。

基板から上側に出ている同軸(1.5D2V)は、RF入力端子で、調整をしたい機器に 仮で端子を半田付けして、RF電圧の大小を測定すると同時に、そのRFの分周出力を 中央にでている同軸端子に出力します。

   ここに 現有の手持ち周波数カウンターを接続し、またRF電圧出力にテスターを接続すると、RF電圧の強弱と周波数を同時に測定できます。


左の系統図のように
RF入力は、プリスケTD7104と ダイオード検波に接続しています。

 例えば、被調整回路が、5倍オーバトーン水晶発振器であると、その発振周波数と出力を同時に測定するので、発振次数をまちがえることなく、発振強度が最も大きい点に調整することができます。

プリスケーラの分周比は、1/1、1/2、1/4、1/8を選択でき、外部に接続する 現有の既存周波数カウンターの感度、動作周波数が、例えば、500mVrms、50MHz という場合も、40mV, 400MHzの高感度カウンターに変わります。 
 特に、分周1/1は、0.1MHz〜200MHzで40mVで動作するので、現有のカウンターが、高感度で使用できます。


● 回路図Circuit

左に回路図を示します。

プリスケーラ、TD7104は、入力感度が高く、RF40mV以上(周波数によりますが、実際は20mV以上)で動作します。
 分周比、1/1の場合は、周波数0.1MHz〜200MHz、RF電圧40mVを 内部バッファアンプ+2SC1923で 0.5Vに増幅するので、外部に接続する 現有の周波数カウンター感度が、余り高くなく、例えば、500mVrmsであるとかいう場合も、高感度カウンターに変わります。


RFミリバルは、SBD 1SS106で検波した電圧を LM358で増幅し、外部に接続したアナログ・テスターに電圧表示します。
 ダイオードには立ち上がり電圧があるので、動作する電圧は、概ね10mV以上です。名前はミリバルと称していますが、10mV以下は不感帯となります。

 また、外部にテスターを接続しないで、簡易的にRF信号の強弱を見るために、LED(D6)を組み込んでいます。 これで、RF信号0.15V近辺と 0.43V近辺の信号強弱を観察できます。 それ以外の電圧は、外部テスターが必要です。

 テスター端子は、OPアンプ出力電圧V5を、1kΩ抵抗で分割しています。アナログテスター(内部抵抗20kΩ/V), 0.5Vレンジ測定(∴10kΩ)を前提にしているので、OPアンプ出力は、1割ほど大きめの値となるようにしています。 

TD7104のピン1,8間の4.7kΩとPIC-GP4を結んでいる1N4148は、TD7104をON(80msec)→OFF(20msec)させる部品です、基板にはパターンがないので、基板裏面に取りつけます。

● 検波電圧補正回路

ダイオードには、立上がり特性の良い1SS106を採用していますが、それでも、100mV以下は、誤差が大きくなります。
 その補正に、左の1SS106での補償OPAmpを採用しました。 

 単純OPアンプでは、青色グラフ。1SS106補償アンプが、赤色グラフです。

 10mV以下は、不感帯で無意味な電圧を示します。この主原因は、OPアンプにバイポーラ入力の汎用LM358を使ったためで、入力ピンのバイアス電流が、50nAあり、これが、入力抵抗100kΩに流れ込み、5mV程度になるためです。
 ここに J-FET入力の LF412を使えば、バイアス電流が、1/1000の50pAになるので、不感帯は、1mV以下になると思われます。実際に確認していませんが、。


● TD7104F の破損

試作中に、TD7104Fを2個、壊してしまった。 原因に特に心当たりは、ないのに、気がついたら壊れていた。

各ピンの電圧を測ると、四角ボックス内の数値が正常品の電圧、()内電圧が破損品の電圧です。
 入力ピン2、3は、GNDに短絡すると、壊れるみたいです。ピン8は、GNDに落としてLとすると待機モードになるのですが、これをGNDに落とすと、何と220mAも流れ出る状態になっていた。

 TD7104の挙動がおかしいときは、各ピンの電圧チェックが必要です。


●タカチ プラケースSS-90B(黒) またはSS-90W(白) の穴明け


左図のように型紙を当てて、穴明けします。

 基板のケースへの固定には、ナベ小ねじM3x5mm を使います。
 ケース側ボス4箇所には、M3タップをできるだけ深くタッピングします。

DCジャックは、小型のもの、例えば、秋月の「パネル取付用 22196」等を選びます。

ケースパネル面側から操作する、タクトSW, LED等は、左写真の基板の裏面側に取りつけています。


●タカチ プラケース SS-90への組込み

プラケースの正面パネルは、左写真のように 各LED、分周比を切り替えるタクトSW、DCジャック、テスターピンを接続する端子があります。

  テスターピン端子は、0.7mm錫メッキ線で リングを作り、それをケースパネル面に出しています。

RF入力、FC出力は、コネクター接続ではなく、同軸1.5D2Vを直接出して、軸端に強度確保の小基板(ユニバーサル基板片)を半田付けし、その端子をワニ口クリップではさむようにしています。
 RF入力は、同軸端子からのリードを 被測定回路に直接半田付けして測定しています。


●RFコンバータ(OP15) の150MHz信号調整に使う


RFコンバータ(OP12)のTD7104入力信号、150MHzの調整に、このプリスケ&ミリバル を使ってみました。

 プリスケ&ミリバル入力端子をSPDTの出力ポートに接続し、RFコンバータの150MHzコイルを最大電圧に、調整します。

 TD7104プリスケの分周率は1/8で 外部周波数カウンターは、18.750MHzを示し、、テスターは0.5Vレンジで70mVを示しています。
 18.750MHz x 8= 150MHz


●12.798MHz 水晶での 5倍オーバートーン発振の実験

手元の 小型の水晶発振子で 表示12.8MHz と12.798(CR358) の2種類のものについて、5倍オーバトーン発振の可否を実験してみました。

 表示12.8MHzの発振子は、3倍OT(38.270MHz)は確認できましたが、5倍OT発振は、無理でした。

一方、12.798(CR358)は、3倍OTも 5倍OTも盛大に発振可能でした。
 左写真は、TR 2SC1923, エミッタパスコン5pF, コレクタ同調回路(10Kコイル6t:2t 8pF)の発振回路で 1.4Vrms発振(20mW)を確認した状態を示しています。

 TD7104プリスケ 1/4で 周波数カウンター表示15.998MHzなので、15.998x4=63.992MHz発振です。


●PIC12F629のプログラム

プログラムは、次からダウンロードしてください。
 ◇ダウンロード PreSC.asm & PreSC.hex 圧縮ファイル

TactSWを押すと、D5無点灯でD1→D2→D3→D4→D4(点滅) と [D5が点灯し、D1→D2→D3→D4→D4(点滅)] を循環します。
 D5の点灯(高感度)、非点灯(低感度)は、簡易信号電圧強弱目視計の感度選択。

「D4(点滅)」状態は、分周比1/8 で、PIC-GP4が H(80msec)→L(20msec)を繰り返しますので、簡易的に 1/10分周出力を出します。ただし、これは簡易的に 1/10の値を読み取れますが、大きな誤差を含むことを理解のうえ、ご使用ください。



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● アナログスイッチ SPDT SN74LVC1G3157 の説明

SOT-23パッケージ SN74LVC1G3157DBV の小型ICを
 DIP8基板に 組み込んでいます。

AFから300MHzまで使えて、通過抵抗は低く(カタログ値6Ω、実測3Ω)、
またアイソレーションもよく、使い勝手のよい アナログSWです。

新構成で再頒布の " (OPTION-15) RFコンバータ 30MHz〜180MHz"にも使用しています。

一つの基板に ICx1個を取り付け、1回路2接点(SPDT)です。

左写真は、動作確認のために、DIP8Pinの各穴にはリードを半田付けしてしまっていますが、これらの穴の使い方は自由ですの、このSPDTを空中配線しても良いですし、ピンを半田付けして DIP8ピンICとしてつかっても良いです。


下図は、メーカ・データシートから抜粋した説明図です。
対抗したFETが、B1,B2それぞれのポートに接続され、FETのゲート電圧制御により、Aポートへの接続を切り替えています。
 使用方法は、右側のTypical Applicationに図示されています。

・Vcc2 (ICへの供給電圧) の絶対定格は、-0.5V〜+6.5Vでこれを超えてはいけません。消費電流は、≒10uA。
・B1,B2,Aポートへの信号電圧は、0〜5V 以内で、このポートにはクランプダイオード保護があります。

・切替制御のSポートの電圧は、0〜Vcc2 以内で、0.3xVcc2 以下でL (A⇔B1導通)で、それ以上でH (A⇔B2導通)です。Sポートの制御電流≒ +/- 1uAなので、R2<1MΩを接続すれば、Lとなります。
  本体回路電圧がVcc1で Vcc2定格(0〜6.5V) を超える場合は、R1, R2の分割で Vs <Vcc2を保証させます。




小さなIC、小さな基板ですので、部品取り付け手順を記載します。
@右のIC(SN74LVC1G3157)は、米粒大ですが、刻印"CC5R"または"CC55"と 1ピンのDotが見えるでしょうか? この1ピンを左基板の 左下1ぴんに合わせます。
  ICの位置決めは、6ピンのランドのみ最初に薄く半田盛し、そこに ICを位置決め半田付けします。

Aそして、虫メガネでランド中央にきちんと乗っていることを確認し、ピン1,2,3をまとめて半田付け。ブリッジしても構いません。 次に反対側の ピン4,5,6を半田付け。

B余分なハンダは、吸取線で除去します。そして、虫メガネ、テスター導通で ブリッジしていないことを確認します。 B1,B2,Aポート〜GND/Vcc間は、クランプダイオードがIC内部で接続されていますので、ダイオード導通はあります。

C 裏側に部品をとりつけるときは、ラジオペンチのようなものを土台として水平を保ちます。リード部品のハンダ孔を塞ぐ可能性がありますので、リード部品は、チップ部品に先行して、取りつけておきます。

D 完成基板 2組です。これらは、DBMのANTスルー回路に使うので、1.2kChipは、Aポートの R5,R6のみです。


●SPDT の回路図は、

 下図のとおりです。


 

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