1.欠陥住宅
旭化成さんにお願いして住宅を建築することになって、最も良かったのは、完成あるいはその後も通じてお互いの信頼関係を維持できたことだと思います。
最近の住宅は躯体・内装のみならず、設備等も含めて、非常にたくさんの部材を、それぞれに合った方法で適切に様々な業者さんが施工しなければならず、どうしても多少の不具合は発生すると思います。このような不具合を施主側から指摘した場合に、旭化成さんは速やかかつ誠実に対応して下さいました。また、建築中の素人の素朴な疑問にも面倒がらずきちんと説明をして下さいました。
こういった質問を、現場の職人さんに直接聞くのはなかなか抵抗があります。しかし、旭化成さんの場合は営業さんや現場監督さんにEメールで質問することができるという奥の手があったのです。この方法は、正直かつ正確にこちらの気持ちを伝えることができて、非常に良好なコミュニケーションでした。
特に、住宅メーカーの場合、欠陥問題の多くは、実際の住宅構造に致命的な欠陥があるというよりは、施主と施工業者の間で細かいスペックや施工方法などに対して認識の違いがあるために問題化するケースが多いような気がします。私見ですが、両者にきちんとしたコミュニーケーションが成立していれば、一部の悪徳業者を除き、欠陥問題など発生しにくいという気がします。
したがって、欠陥住宅を無くすには、施主もできるだけ建築現場を見せてもらい、気が付いたことや疑問点は納得がいくまで質問することが最も重要と思います。そして、そういう施主の質問に十分答えてくれる業者、メーカーさんを選択することがポイントではないでしょうか。
2.シックハウス
住宅建築に際して、シックハウスについて色々調べてみてわかったのですが、今、日本で一般的に使用されている建築部材を使用する限り、シックハウスの可能性をゼロにすることは不可能だそうです。(シックハウス症の症状には極端に個人差があり、全ての人に症状が出ないようにするのはとても難しいんだそうです。)
私が調べた範囲では、全くシックハウス症のおそれのない家を建てようと思えば、全ての部材を施主本人が徹底的に吟味した上で、基本的に無垢材を使用し、腕の良い職人さんに頼んで1年くらいの期間をかけてじっくり建築するしか方法がありません。これは通常の施主が対応できるレベルを明らかに超えています。
しかし、シックハウス症の危険性を低くする、あるいは平均的な人に症状があらわれないレベルにおさえることは可能です。そのためには、
- できるだけシックハウス原因物質を含まない部材を使用する。
- 新築時の有害物質濃度をできるだけすみやかに下げる。
ことが重要です。
部材については、ヘーベルさんの標準仕様でクリアできます。(現在、ヘーベルさんではうちの建築時よりもさらに部材の基準を厳しくしているようです。)
一方、後者については、色々な手法が有ると思うのですが、我が家では、設計時にできるだけ細切れの部屋を作らないようにした上で、現場監督さんに色々検討していただき、「建築中に極力換気を励行していただく」という、単純で最も効果の大きい方法をお願いしました。
その結果、引渡し時には、システムキッチン(据付が引き渡し直前でした)周りで多少臭いが気になった程度で、それ以外はあまり気にならないレベルでした。(念のため、検知管でホルムアルデヒドを測定してみたのですが、キッチン周り以外は未検出でした。まあ、秋口の引き渡しだったので夏の引渡しよりは条件が有利だったこともありますが。。。というもの、ホルムアルデヒド濃度は気温や湿度が高いほど高くなるからです。)
引渡し後には湿気対策(建築時に使用された水分が家のあちこちに残っているため必要と注意されていました。)も兼ねて換気を十分行ったところ、1ヶ月ほどでキッチン周りの臭いも気にならなくなり、シックハウスの話など家族の頭から消えていました。
3.断熱性能
色々考えて断熱仕様を選択した我が家ですが、その実力はどの程度だったのでしょうか?
就寝前に2時間ほどエアコンを使用して約7時間後の朝の室温が10〜15℃(外気温−4〜0℃程度)というのがこの冬の実績でした。うちでは床暖房を採用しなかったので、素足だとさすがに床は冷たく感じますし、エアコンを切れば寒さも感じます。
でも、いくら室内とはいえ、冬に全く寒さを感じないっていうのは、人為的過ぎて好きになれないんですよね。結局、うちの場合、寒さは感じるけど、我慢できる程度。。。という「ほどほど断熱」のコンセプトどおりに完成したというのが実感です。
4.結露
正直、結露については、高性能ペアガラスとはいえ、所詮、6mm空気層のアルミサッシで、非常に大きな窓を多用していますから、かなりの結露量を覚悟していたんです。(サッシ自体にも結露水を外に流す小さな樋のような部品もついていますし。。。)
しかし、この冬、結露が意外と少ないことに驚いています。浴室や洗面所は当然結露しますが、それ以外の居室部や廊下部などではよく見ると西側の部屋等の窓枠下部に若干結露がある程度なんです。
その原因を色々考えてみたんですが、どうやら部材の問題というよりも設計の良さに秘密があるようです。
結露が起こるには温度差と空気中の水蒸気が必要ですが、最も顕著に温度差が出るのは北側の窓です。一方、水蒸気が多く出るのは人が生活する居室部です。
うちの場合、設計の良さから居室が全て南向きの部屋になっていて、居室の北窓というのがありません。(唯一、2階のキッチンがありますが、ここも結露が目立ちません。どうやら、換気扇で水蒸気が排出されているようです。)このため、水蒸気の多い部屋には温度差の大きい窓がなく、温度差の大きい窓の周辺では水蒸気濃度が低くなっていることが結露の少ない理由かもしれません。
これは、鉄筋コンクリート製社宅の単層ガラスサッシですさまじい量の結露に悩まされていた我が家には嬉しい誤算でした。
5.耐震性
新居で生活をはじめてから、何度か震度2〜3程度の地震がありました。(ゆうくんパパは仕事の関係上、震度4以上では速やかに職場の安全点検に出動しなければならないので地震に敏感です。)
新居の揺れ具合は、すこし、今までの家とは違う感じがします。通常の家が地面のゆれに振られてユラユラゆれる感じなのに対し、我が家は地面の地下深くからズシンときてあまり振られない感じです。
鋼管杭を打って支持地盤層で支えていることと関係があるのかもしれません。
いずれにせよ、ごつい鋼管杭、立派な連続布基礎、頑丈な躯体の鉄骨を、しっかり建築中に確認しているので、耐震性にはゆるぎない信頼があります。工事を見ていたご近所や親戚の方からも「大きな地震のときには避難させてね。」なんて冗談交じりに言われます。
6.外観
最近の家の外壁は、サイディングかモルタル仕上げの家が大半です。こういった中で、ALC外壁の家は異彩をはなっています。色々好みもあるとは思いますが、人と同じじゃつまらないという主義のうちの夫婦にはお似合いですね。。。