「ギミック!」作品紹介

 

☆パーソナルデータ

ゲームタイトル   「ギミック!」(「Gimmick!」)
メーカー サン電子(サンソフト)
バーコード番号 T4907940100615
発売年月日 1992年1月31日
定価 6,200円(消費税別)
対応機種 ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)
形態 ROMカートリッジ
ROM容量 3メガ(バックアップ機能無し)
ジャンル 横スクロールアクションゲーム(一部上下画面移動あり)
プレイ形態 一人プレイ専用

 

☆作品特徴

…and more!

(一部説明書・雑誌広告より抜粋部分あり)

 

☆発売当時の状況

ファミコン雑誌の「ファミコン通信」(以下、ファミ通)、「ファミリーコンピュータMagazine」(以下ファミマガ)、「マル勝スーパーファミコン」(以下、マル勝)などによると、「ギミック!」はもともと1991年8月に発売される予定だったようです。「第3回初心会展示会・ファミコンスペースワールド」(1991年4月24日〜5月6日開催)のサン電子ブースにおいて、「へべれけ」(「ギミック!」と同様に、8月発売予定の作品でしたが9月20日に発売延期)、「バットマン1.5」(後に「ダイナマイトバットマン」として発売)、「ペスカトーレ」(これについてはよくわかりませんが、恐らくは没ゲームだと思われます)などと共に出展されています。その後発売日が10月予定、11月予定、12月予定と延び、最終的に翌年の1月31日になっています。この前後にはスーパーファミコン用ソフト「ロマンシング サ・ガ」(スクウェア・1月28日)や「ソウルブレイダー」(エニックス・1月31日)などのSFC用ゲームの大作が発売されています。同日発売のファミコンソフトには「ドンドコドン2」(タイトー)、「バッキーオヘア」(コナミ)があります。

ソフトが発売される直前の「ファミ通」クロスレビューでは、7点・8点・5点・6点(レビュアーは表記順に浜村通信氏・アルツ鈴木氏・渡辺美紀氏・TACOX氏)と凡そ平均以上と言ってもよい点数になっています。レビューの内容は「グラフィックと音楽の良さ」「操作性の丁寧な作り込み」「非常に高い難易度」などが主に取り上げられています。中でも当時からコアゲーマーとして名高いTACOX氏は、同号のレビュー内で「ロマンシング サ・ガ」「ソウルブレイダー」と並ぶ最高点を付けており(ちなみに「ギミック!」と同日発売の「サイバードッジ」は何と2点です…)、今週のおすすめソフトとして「Best Picks of The Week」にも挙げています。その説明文章は、「…あと、『ギミック!』もやる気にさせます的ソフトで好きだ。難しいんだけど、それを克服させるやる気をおこさせるだけの魅力はあると思う。」というものです(同誌より一部を引用)。ちなみに同氏は「ファミ通91年ベストヒットゲーム大賞・批評家賞」において同社の「へべれけ」を挙げており、同社が後期に送り出していた良作アクションゲームに高い評価を下していたように見受けられます(「ギミック!」クロスレビューの解説にも、「バットマン的なおもしろさ」と書いています。「バットマン」は1989年12月22日発売のアクションゲームで、三種類の武器アイテムや「三角飛び」などを駆使して道中を進み、ボス敵を倒してゆくという比較的高難易度のゲームです)。

同じくソフト発売前の「マル勝」新作ソフト体温計では、6点・6点・6点・6点(レビュアーは表記順にうどん工藤氏・ルーラ岡田氏・YAS氏・ビショップ小峯氏)と同号のソフトの中での最低点をマークしています。評価内容の特色は、先の「ファミ通」クロスレビューに比べて「難易度の異常な高さ」が前面に押し出されている点です。またソフト発売後に売上、読者投票等で集計された「ファミコンTOP20」のコーナーでは597ポイントで初登場12位にランクインしています。ただし登場はこの一回のみです。

ソフト発売後の「ファミマガ」の読者投票によって集計された「Reader's Ranking92」では総合26位となっています(点数の内訳はキャラクタ:3.37、音楽:3.10、買い得:2.97、操作性:3.00、熱中度:3.13、オリジナリティ:2.91、総合:18.48)。この回にエントリーされていたファミコン用ソフト7本は全て20位以下の総合点であるというデータから、このファミコン時代末期(=スーパーファミコン隆盛期)のゲームプレイヤーたちの考えや嗜好を窺うことができるかもしれません。それでも「ギミック!」の点数においては「キャラクタ」「音楽」「熱中度」などのポイントがやや高めであることから、やはり「見ている人はちゃんと見ている」という作品だったのでしょう。

攻略記事は「ファミ通」と「ファミマガ」に出ています。どちらも基本システムの説明とステージ紹介が主となっています。ちなみに「ファミ通」では6面まで紹介されていますが、ファミマガでは文中に「7つの関門が待ちうけている」(本文より一部引用)という、7面の存在を暗示させるような表現があります(実際の面紹介は5面まで)。

雑誌広告はページの見開きを使ったものとなっています。ゆめたろーとおはぎのかわいらしい絵柄(パッケージ表のものに近い)ながらも、「見かけほど、甘くないゼ。」というキャッチコピーや説明文の「ハンパなヤツは腕を磨いて出直しな!」という所から、アクションゲームマニアに強く訴えかけているものとなっています。

ただ、ソフトの売上はあまり芳しくなかったようです。一週間のソフト売れ行きを示す「ファミマガ」の「週間売上Ranking」には登場していません。恐らくこの時期のファミコンソフトはシリーズもの・スポーツもの・キャラクターものなど以外はかなり厳しい売れ行きだったのでしょう(例:「ファミコンジャンプ2」「ファミスタ92」「F1サーカス」など)。

 

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