Cherubの「つれづれ寸評」



◆バックナンバー◆


1月 7日

 とうとう「人口減少社会」に突入した。厚生労働省の人口動態統計で日本の人口が2005年に初めて減少に転じたのである。現在1億2,700万人の日本の人口は2050年に1億人を割り、2100年には約4,600万人まで減少するという悲観的な予測もある。ゆゆしき事態だ。

◆少子化に歯止めをかけるにはいろいろな子育て支援は必要だ。しかし巷で聞かれるお金をばら撒くという施策はいただけない。若い世代が生活の見通しを立てられない今の社会構造を改善することこそが先決であろう。雇用が不安定で所得が低くては・・・。

◆問題は、少子化と高齢化が同時に進行する超高齢社会がやってくる点にあり、年金や医療・介護といった社会保障制度をどうやって維持していくかということだ。高齢者の暮らしを支えのが社会保障の原点である。少子化の傾向が改善されなければ、社会保障給付費の水準も見直さざるを得なくなるのは当然だろうけれども、子育てに苦労をした人には老後に手厚い給付を約束する社会でなければ、と思う。高齢者が生き生きと暮らせる社会は子どもを安心して産める社会でもあろう。子どもの元気な声が響く社会を取り戻そうよ。

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1月14日

 灯油価格が急騰して家計の負担を圧迫している。石油情報センターが12日発表した全国の灯油18リットル当たりの店頭平均価格は1,336円で、前週よりも34円上昇、富山は全国平均よりも高く1,395円で前週より51円も上昇。1987年の調査開始以来の最高値を3週連続で更新し、1984年の第2次オイルショック時並みの高値水準が続いている。

◆この急騰の要因は原油価格の高騰に加え、寒波や大雪の影響で需要が急増したことにあるが、一番の原因は国内での原油精製だけで足りず、輸入が増えているためらしい。

◆1円でも安いところへと週一の割で車を走らせるのだが、行くたびに4、5円ほど高くなっているのにがっくり。セルフだとリットルあたり1、2円安いこともあってか、最近は利用者が増え待つことも多くなった。このまま寒さが続けば、さらに価格は上昇するのではないか。天井知らずの値上がりに不安は募る。

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1月21日

 証券取引法違反の疑いで、東京地検特捜部の家宅捜索を受けたライブドアは、派手な企業買収・合併で脚光を浴び、証券制度・ルールの盲点を突いた生産の伴わないマネーゲームで短期間に急成長したインターネット関連サービス会社だ。

◆ライブドアは1996年にオン・ザ・エッヂとして創業以来、買収・合併を通じて事業内容と売上高を拡大してきた。自社株1株を1年で1万株にする極端な株式分割によって、株価と発行株数を掛け合わせた「時価総額」を拡大。それを元手に、企業買収の資金を調達し、次々と買収・合併を重ねた。法律や制度のグレーゾーンを巧みにつく手法によって、大金を稼ぎ急成長してきた。

◆ライブドアを率いる堀江貴文氏は派手な言動を繰り返し、「法律に触れなければ何をやってもよい」、「人の心はお金で買える」という考えで、わずか10年で日本を代表するインターネット企業に成長させた。

◆彼のサクセスストーリーは、閉塞感に悩む若者に夢を与え、旧態依然とした日本社会に一石を投じたことは確かである。、英紙フィナンシャル・タイムズは社説で「日本の伝統的なビジネス秩序に挑戦。企業の在り方に新風を吹き込んだ」と評価している。

◆しかしである。不正があったとすれば事は重大だ。企業情報への疑念や不信感が増幅し、株式市場の信頼を揺るがしかねない。真相解明を願う。それにしても、証券界という世界でテクニックを駆使したこの事件の構図はよくわからない。

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1月28日

 不安は的中してしまった。先月16日から条件付きで米産牛肉の輸入が2年ぶりに再開されたが、わずか1カ月で、安全確保のために定めた輸入の条件が破られてしまった。何をかいわんや、である。

◆BSEは「狂牛病」と呼ばれ、脳がスカスカになる。1986年、英国で発生した。BSEに罹(かか)った牛の頭部や脊髄(せきずい)を食べると、人に感染する恐れがあり、感染すればクロイツフェルト・ヤコブ病という致命的な認知症になり、脳がスポンジ状になって死ぬ。

◆米国産牛肉の輸入は安全性が科学的に保証されたというより、輸入容認の条件を米国側が順守することを前提として再開が決まったという経緯を忘れてはならない。肝心かなめの条件が守られないとなれば、安全の根拠自体が揺らいでしまう。

◆それにしても、米国側の検査態勢のずさんさに憤りを禁じえない。もう米国のごり押しに屈してはならない。

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