Cherubの「つれづれ寸評」



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2月 4日

 大手ビジネスホテルチェーン「東横イン」が、各地で建設したホテルを完了検査直後に、身体障害者用客室などの施設を不正に撤去し改造をしていた。完了検査前から建築確認用と改造用の二種類の設計図が存在したケースもあり、「極めて悪質な手口」であり、強い憤りを感じる。

◆このことに関して、創業者の西田憲正社長(59)は「やってしまったことは仕方ない」と、「開き直り」とも聞こえる発言を繰り返した。あの厚顔無恥振りには唖然としてしまった。「もうけるためには何でもあり」「自分さえよければ」という企業の社会的責任や倫理観のない風潮が社会に蔓延しているのが気になる。社会のリーダーである経営者にコンプライアンス意識の徹底を強く求めたい。

◆多くの人が使う建物にバリアフリー化を義務付けた「ハートビル法」は、高齢化社会を迎えた今日ますます重視されなければならない。身障者や高齢者に優しい社会でありたい、と思う。

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2月11日

 防衛施設庁発注工事をめぐる談合事件は組織ぐるみということが明らかになった。幹部が談合を主導していた。言語道断。懲りない官製談合に呆れてしまう。

◆平成10年の自衛隊装備品をめぐっての旧調達実施本部の背任事件と今回の談合事件と構造は同じである。こうした事件の背景には幹部自衛官の多くが企業顧問として天下りしていることにある。今回の談合は氷山の一角にすぎないと思う。

◆許されないのは、談合によって国の支払額が増えるが、その損失は全く顧みられていないことだ。ウミを出し切り、癒着構造から抜け出さなければならない。

◆2003年に施行された官製談合防止法に罰則はない。談合体質を断つためには罰則を伴う一層の法整備が急がれる。

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2月18日

 トリノ冬季五輪の熱戦がいよいよ佳境に入った。スピードを競う種目では100分の1秒を競い合う。勝負の厳しさが観戦者にも伝わってくる。

◆100キロを超えるスピードで疾走する姿は美しい。五輪観戦の妙味は、選手たち一人ひとりの研ぎ澄まされた集中力と技をみるにあるといえよう。

◆力のある人が勝つとは限らない。精神力が勝負を分ける。五輪という大舞台でいかに持てる力を発揮するか、である。

◆これまでのところ、日本選手の活躍は振るわなく残念だ。思ったような成績には結びついていない。選手たちがどんな力を見せてくれるか。これからを楽しみにしたい。

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2月25日

 「クールビューティー」の異名のある荒川選手がトリノ冬季五輪のフィギュアスケートで逆転の金メダルに輝いた。おめでとう。

◆伊藤みどり選手が92年アルベールビル大会で銀メダルを取って以来の快挙であり、五輪フィギュアでの金は日本人で初めてだ。これまでのところ本来の力を出し切れなかった選手が多いだけに、荒川選手の「金」の価値はなおさら高いといえよう。

◆荒川選手にとって、13位に終わった長野以来、八年ぶりの五輪だった。 インタビューで「メダルがとれるとは思わなかった」と無欲を強調していたが、あの位置にいてメダルを意識しないはずはなく、重圧を封じ込めた無心の境地で、ほとんどミスせずに伸び伸びと滑り終えたところに心技体の充実をみた。メンタル面の強さが勝利を呼び寄せたに違いない。

◆優雅でスケールの大きい滑り、ジャンプ、スピンの繊細な美しさ、上体を反らせて滑るイナバウアーの優雅さにうっとりした。妖精のようであった。

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