かわいいいたずら

あれは小学校6年生でそろそろ卒業しちゃうなっていう11月、いつものように友達の一人K君とバス停で帰りのバスを待ってた時のお話。
おいら「卒業前だしなんかいたずらやろうよ。」
K君「でもなんかいいのある?」
おいら「あ、そうだ。電話連絡網使って変なこと回そうよ。出席番号おれ8番だから、3番のK君との間の人4人だけだましちゃおうよ。うぷぷ。」
K君「なんかいいのある?」
おいら「いいのってなかなかないねえ。」それからあーだこーだいってけどなかなか決まらない。
K君「バス来ちゃったよ。どーする?」おいらとK君は乗るバスが違うので急いで決めなきゃいけなかった。K君はもうバスに乗ろうとしている。
おいら「うーーーん。ねえねえ明日水着持ってくるっていうのはあ?」
K君「わかったあ。」っていいながらK君のバスは出ていった。
その日の
夜。出席番号7番のI君から電話がかかってきた。
I君「なんかねえ、こんな時期なのに体育で水着使うんだって。だから明日持ってこいって。」
おいら「あはははは、それねえK君とおれのいたずらだよ。I君には教えてあげる。水着なんて11月にいるわけないよ。」
I君「そーだよねえ、おれも変だなあって思ったんだ。また明日ねえ。」
次の日の朝、いつものように学校に行くと出席番号1番と13番の子がいきなりライダーキックしてきた。「なんで連絡回さないんだよー。」ってまたライダーキック。昔はなんかあるとライダーキックしてたような気がする。「あははは、それおれとK君のいたずらだから持ってこなくていいんだよ。」今度はK君がみんなにライダーキックされてる。
その日の朝のホームルームの時先生が「今日は卒業用の写真として水泳の写真が1枚もなかったんで、体育の時間にみんなで水着の写真を撮ります。」
ええええええ!!!クラスがざわめく。「昨日の職員会で急に決まったんで電話連絡にしときましたけど、みんな持ってきたかなあ?」クラス中大騒ぎ。
「H君(おいらね)が連絡まわしてませーーーん。」なんかみんなの声がそろってる。そりゃそうだ。持ってきたのは4、5、6番だけだもんなあ。あとで聞いたところ3番のK君には2番の子から電話回ってきたらしいんだけど、バスがすぐきておいらと打ち合わせできてないから、おいらが勝手に1番に電話したんだと思ってたらしい。
当然先生には呼ばれてこっぴどくしかられた。いくら偶然です、っていっても、いたいけな小学生がうまく説明できるわけがない。しょうがないから体育の時間には隣のクラスから水泳パンツを借りて撮影することになった。
ま、あたり前だけど、その卒業アルバムには11月にプールに落とされたおいらとK君がならんで写っている。
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