ヘーベルハウスとの契約まで3(旭化成との交渉)


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 一方、旭化成さんの方は、営業のYさんが、年明け後もコンスタントに、電話やEメールで連絡を下さっていました。(旭化成さんは営業さんをはじめ、設計やインテリアアドバイザーの方もメールアドレスを持たれていて、PCユーザーにとってはとても便利です。これについては後述します。)また、家の模型を作って届けていただいたりもしました。(模型は窓が大きくてなかなか良い感じでした。)

 そして、S林業さんの概算額が出た頃から、Eメールを中心にYさんとの打ち合わせを再開しました。具体的には、S林業との打ち合わせを通じて明確になった家族全員の希望をはっきりと伝え、プランを再検討してもらったのです。

 しかし、ゆうくんパパにはもうひとつ心配なことがありました。それは書店で買い求めた、「良い住宅 ダメな住宅 ムダな住宅’99」という本でした。この本の主旨は要するに、「高断熱・高気密住宅こそが高性能住宅であり、そのためには家全体を発泡系の断熱材ですっぽり覆い、窓には空気層12mm以上の樹脂サッシを使用するとともに24時間連続換気システムを採用すべきである。このような住宅は現場での手がかかるためハウスメーカーでは不可能である。」というものでした。そしてこの本の中でへーベルハウスは「見てくればかりの時代遅れの家」として以下のような欠点を指摘されていたのです。

  1. ALCコンクリートは発泡系断熱材に比べ断熱性能が不足である。

  2. 鉄骨系プレハブ住宅では高気密を達成するのは不可能に近い。

  3. ALCコンクリートの凍害は心配であり、そのための保繕費も馬鹿にできない。

  4. 土や木といった自然素材ならともかく、人工素材であえて低気密・低断熱住宅を作るのはナンセンスである。

 しかし、この本の主旨は少し偏りすぎていると思います。住宅の性能は気密性や断熱性だけで決まるものではないと思いますし、高気密・高断熱・24時間換気システムなんて、まるで核シェルターにでも住むようです。そんな、電気や機械に生かされているような家は絶対いやです。(この本の著者は理科系の方のようですが、ゆうくんパパも理系の技術者です。そしてだからこそ、生活環境まですべて機械に支配されるのはいやなのです。)

 我が家の考える高性能住宅の条件とは次のようなものです。

  1. 十分な採光と通風により、日本の豊かな四季を感じられるものであること。(古来の日本式家屋の良さ)

  2. 耐震性・耐火性に優れ、十分な強度を持つこと。(転勤で兵庫にいる頃に、阪神大震災で倒れた高速道路を生で見た印象が強いのです。)

  3. 遮音性に優れること。(ナッチは2階を走り回りたいのでちゅ!)

  4. 真夏、真冬に備え、ほどほどの気密性・断熱性を持つこと。(建設予定地は海に近く、気候が緩やかです。)

  5. 30年以上の耐久性を持つこと。(100年住宅なんてお題目を信じるほど馬鹿じゃありません。たっぷりお金を掛け、十分メンテナンスをしている原子力発電所だって、設計寿命が30年、実質寿命が60年程度なのですから。)

 これに対して旭化成さんがへーベルハウスで示している回答は、

  1. 木材に近い断熱性と調湿性を持つALCコンクリートを使用することで、木造家屋に近い生活環境を保ちつつ、シロアリや腐食の影響を原理的に絶つ。

  2. 鉄骨ラーメン構造を採用することで大規模地震にも堪える高耐震性を実現する。

  3. 厚いALCコンクリートを外壁材に使用することで高耐火性を実現する。

  4. 構造強度上の余裕から生まれた設計の自由度を生かし、十分な採光と通風を確保する。

  5. 必要に応じ高寿命の断熱材を追加することで適度な断熱性能を達成する。

  6. 工業的な品質管理により、均質で高寿命な工業製品としての住宅を提供する。(工業製品としては60年という設計目標は妥当なものと思います。)

  7. アフターケアによるメンテナンス計画により唯一の弱点である水への弱さを克服する。(メンテナンス費を下げるため、あらかじめ足場用金具を取り付ける等の工夫もしているようです。)

というものではないかと勝手に解釈しています。

 このため、上記の本のことは本質的には気にならないのですが、「へーベルハウスの床は断熱材がALCコンクリートだけなので冷たい。」というのと、「空気層6mm厚のペアガラスではペアガラス本来の断熱性能はない。」というコメントには数値的な根拠もあり無視できないと感じました。なぜなら、床の冷たさを指摘された1階で生活するのは今後熟年期を迎える両親ですし(年をとって足元が冷えるのはつらいでしょう)、大きな窓をたくさんとりたい我が家では窓の断熱性能が大きな問題だったからです。

 そこで、営業のYさんに素直にこの2点をぶつけてみました。Yさんからすぐに明確な回答がありました。それは、「100mmのへーベル板で足りないという声を建築後に施主から聞いたケースはほとんどないが、もし気になるなら公庫断熱仕様をオプションで用意しているので、10数万で床、壁、屋根に断熱材を追加できる。窓についてもLow-Eガラスを使用した高性能ペアガラスに変えれば6mm空気層でも十分な性能がある。」というものでした。こうしてなんともあっさりゆうくんパパの不安は解消されたのでした。

 約2週間のメール中心のやり取りで、旭化成さんの新プランが固まりました。電話とFaxしか連絡手段のないS林業さんと比べ、メールを使用した打ち合わせの効率は非常に良く、S林業との2ヵ月分の打ち合わせを2週間で済ませた感がありました。そういう点では、PCユーザーにとって、旭化成さんは話の進めやすい会社だと思います。

 こうして、リニューアルされたヘーベルプランと見積りが提示されたのです。その内容は、、、(つづく)