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西村ソノ 戦時下の欧州を勇気と美貌で生き抜いた女性


【お知らせ 1】
西村ソノ 戦時下の欧州を勇気と美貌で生き抜いた女性は書籍化されました。
こちらからお求めになれます。



【お知らせ 2】
この文章を公開後、ルヴァン美術館副館長木田三保様のご好意でアメリカ在住の西村ソノさんにコンタクトをとることが出来、写真を提供していただきました。(無断転載はお断りします)(2016年7月30日)

2018年6月10日より軽井沢ルヴァン美術館で「西村伊作とその子供たち」が開催されます。




<序 新史料の発見>

欧州に戦時中滞在した邦人は、仕事を持つ男性がほとんどであった。
数少ない女性の内、独身女性はなお少ない。そのほとんどは留学生である。その中で美貌の筆頭にあげられるのが、パリを中心に活躍したバイオリニスト諏訪根自子である。ただし彼女の演奏家としての写真は専門家が撮ったもので、メイクがしっかりして、修正も加わっているであろう。筆者は美貌のナンバーワンには留学生西村ソノ(以下ソノと書く)を挙げたい。
1948年 戦後の西村ソノ (東京)
1948年 戦後のソノ(東京)

ソノは、今は両国にある文化学院の創始者、西村伊作の四女である。文化学院は自由で快活な学校として知られた。そしてソノについては上坂冬子が「伊作とその娘たち」の中で、本人から直接話を聞いて、戦時下の欧州での生活を書いている。
またドイツ陥落時にスイスに単身逃げ込んだ“武勇伝“を、当時スイスの日本公使館参事官であった与謝野秀が、「欧羅巴雑記帳」で書いている。これらをもとに筆者は「スイス国境を目指して、西村ソノ」を書いた。

彼女についてさらに詳しく調べたいという気持ちがあったが、上記2冊を除くと、史料がほとんど見つからなかった。例外は当時スイスで一緒にいた山路綾子さんから、ソノについての話を聞くことが出来、写真も借りることが出来たことである。(「山路(重光)綾子さんの体験した戦時下の中欧」参照)
あとは欧州駐在者の回想録に、断片的に登場する情報が少し集まっただけであった。

ところが最近大きな進歩があった。先ずはオーストリアの当時新聞に、ソノのウィーン留学中の写真記事を見つけた。日本でもプランゲ文庫(1945年から1949年までに日本で出版された印刷物のほとんどを所蔵する特殊コレクション)には「西村ソノ」に関する雑誌記事が27件あることも分かった。そしてこれらの記事は、おそらくここにしか残されていないのではないか?

終戦まもなく発刊され、すぐに廃刊となった名もなき雑誌の、小さなコラム記事まで探し出せるのは、まさしく驚異である。本編ではこうして見つけ出した情報をつなぎ合わせ、ソノの欧州での足跡、および終戦直後の日本での活躍を、徹底的に追うものである。

以降は目次のみ表示します。全文は書籍でお楽しみください。
こちらからお求めになれます。



<写真>



1945年12月のクリスマス 山路綾子 西村ソノ 三谷隆信スランス大使


西村ソノの着物


<渡欧前のソノ>





<プラハへ>





日本郵船 欧州航路を利用した邦人の記録



<ウィーンへ>






<回想録のソノ、日本開戦時>







<春 旅への誘い>

諏訪根自子

西村ソノ 1942年 ウィーン郊外の自転車旅行
1942年の自転車旅行。まさに上の記事の内容に合致。



<新史料 オーストリアの新聞>






工業美術学校にて(新聞の写真ではなく、ソノさんから提供いただいたもの)次も同様




プラター公園にてクラスメートと。後ろの看板から射的遊びを





<ローマ>





クラスメート リサとのスキー旅行。後ろのSLも興味深い。



<父 伊作の逮捕>



1943年 ウィーン近郊の友人家族宅のクリスマスディナー。左後ろにクリスマスの



<外交電報>






<守山義雄 (駐独日記抄)から>





山路家の山荘 西村ソノの着物の写真はすでに紹介した。ここでは他のベルリン駐在員の荷物も預かっていた。



<ベルリンへ>





<小松富美子>






<ベルリンにて>


スイス国境を目指して



<スイス 入国>




ベルンの当時日本公使館のあった建物は今、日本大使館になっている。


ローザンヌ 美術学校のクラスメートらと。



<1945年8月15日>




山路家の子供たち(綾子、陽子、晴久)とスキーへ  ソノのコートが洒落ている。



<軽井沢>



西村ソノが帰国直後の1946年、軽井沢にて。左からソノ、伊作、クワ(6女)八知(3男)
ソノが帰国直後の1946年、軽井沢にて。左からソノ、伊作、クワ(6女)八知(3男)



<敗戦 引揚>




<貴重な写真>






<活動再開>




御茶ノ水に保存されている、文化学院の門(筆者撮影)




1946年帰国直後 父伊作と。日本に戻った安堵感が感じられる (三島自宅にて)



<高松宮日記>





<文化人 ソノ>







<東郷青児先生>





<結婚>




結婚式



<小松富美子のその後>






<現代 結びに代えて>



西村ソノのデザインしたスカーフ ルヴァン美術館
ソノのデザインによるスカーフ。ソノのサインが見える。

西村ソノは戦乱の欧州で、自分で進路を決めてきた、進歩的女性であった。父伊作の影響ももちろん大きいであろう。また美貌が彼女の活躍をいくばくか助けたが、あくまでもそれは脇役であった。彼女の活躍をもう一度、現在の人に知っていただきたい。その思いが少しでも伝われば幸いである。またルヴァン美術館館長である西村ソノさんにお目にかかることが出来たら、筆者にとってこれ以上の喜びはない。

最後に上坂冬子の「伊作とその娘たち」を何か所かで引用させてもらったことをお断りする。

2016年8月16日にルヴァン美術館を訪問しました。こちらを参照ください。

以上 (2016年6月18日)



西村ソノさんは2018年4月、100歳の誕生日を迎えました。これからもご健康をお祈りします。なんとソノさんが文化学院に入学した年の入学生は19人であったが、今も3人が健在という。



以下に西村ソノに関する出版物(種に雑誌)のリストを紹介する。終戦直後の数年に多くの雑誌が誕生し、そこにソノが登場したことが分かる。(2017年1月22日追加)

1937 5月 特派女学生スケッチ旅行記 ビユーロー二十五周年記念誌上計畫 尾鷲から新宮へ/西村ソノ / 湯川から串本 白濱へ/石井三冬
1938 7月 令嬢の社会見学 婦人画報 東京水上警察見学記 西村ソノ
1942 7月8日 Sono Nishimura Das interessante Blatt
1946 9月 この世相に彼女たちは何を考へる 婦人春秋 座談会
1946 9月 プラーグの友へ 婦人春秋 同じ月に2か所に登場
1946 10月 随想:スイスの日記張より 女人評論
1947 1月 あの頃の懐しい正月を想ふ サロン ウイン:ワルツの春 西村園
1947 3月 世界の女学生廻り:スイス ひまわり 西村ソノ 松本かつぢ[ 絵 ]
1947 4月 ウイーンの街角で サロン
1947 4月 婦人はかくありたい 民主文化 西村園子
1947 6月 結婚相手の男性 美貌
1947 6月 新じゃがの洋風料理 婦人倶楽部
1947 7月 新しい時代の手紙文:第二講:知人の娘の女学校入学祝い 女性ライフ
1947 9月 新しい時代の手紙文例:第三講:旅行地より 女性ライフ 手紙例文
1947 12月 Xmasの想い出:ウインのクリスマス 女性展望 クリスマス(絵と文)
1948 無し こどものあゆみ : さまざまの国さまざまの子供 国際出版 ハンガリー・西村ソノ/
1948 2月 西村一家家族会議 淑女 ソノ、ナナ、クワ、伊作
1948 3月 伝統の都ウイーンのカレツヂ・スタイル 婦人画報スタイルブック 西村その[ 文 挿絵 ]
 1948 3月  家庭と夫人 食卓は一皿で 節米にもなる 読売新聞 西村ソノ 3月18日 
1948 4月 ウイーンの家庭婦人たちは 博愛
1948 4月 春旅への誘い 美貌 西村ソノ 諏訪根自子 原千惠子 赤松俊子
1948 4月 特集・母と娘の幸福:貴女は大人の仲間入り 美貌
1948 5月 お嬢様社会探訪:「浅草シヨウ」見聞記 薔薇
1948 6月 私たちのお台所 食生活
1948 6月 近代女性の素晴らしいシンボル:西村ソノさんに訊く 美貌 長田恒雄 長島勝人[ 撮影 ]
1948 7月 ボーイ・フレンド、ガール・フレンドはどう交際すべきか? スタイル 今日出海 西村ソノ 対談
1948 8月 スイスで見た「毒薬と老嬢」 映画世界 西村ソノ[ 文化学院々長 ]
1948 8月 新恋愛と貞操 結婚前後を語る にっぽん  石田アヤ[ 文化学院教授 ] 西村ソノ[ 西村伊作令嬢 ] 徳川夢声[ ユーモア文化人 ] 東郷青児[ 画家 画 ] 
1948 9月 新しい好みと身だしなみの特集 女性クラブ 笹本悦子[ 撮影 ]
1948 10月 私の結婚式 女性ライフ
1948 12月 夜ながをたのしく  令女界 ダンス・パーティー / 西村ソノ/
1949 1月 愛情は海をこえて 婦人ライフ
1949 3月 私の好きな装い 主婦と生活 西村ソノさん
1949 3月 ハガキ回答 スタイル 吉屋信子 坂西志保 西村ソノ 三笠宮 青田昇 飯田蝶子 渡邊はま子 高野三三男 長門美保 淡谷のり子 加藤シズエ 木暮實千代
1949 4月 美しき青春:思いは遠く ホーム
1949 4月 「男はこんな女性が好き」男心の奥の奥 女性の友 西村ソノ[ 出席者 文化学院教授 ] 
1949 5月 実社会に巣立つ若き男女に送る手紙 生活文化
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