(OPTION-13) タカチYM250に組込む 
(K12)KP6D SSB/CW HF〜50MHz 9バンド 10Wトランシーバー 

UP dated 2020.08.23 

● (OPTION-13) YM250に組み込む SSB/CW HF〜50MHz 9バンド 10Wトランシーバー

(K12)KP6Dトランシーバは、7、10、14、18、21、24.5、28MHzの 7バンド用を標準部品梱包としてますが、OPTION-14(3.5M & 50M)の部品を追加し、3.5〜50MHz 9バンドで組み立てました。 ◇KP6D TX/RX系統図.pdfのダウンロード (終段は、RD15HVF1xPPと読み替えてください)。

 ケースYM250(250Wx 180Dx 50mmH)内に 10Wリニア(今回試作では、50MHz帯の効率アップをねらい、RD15HVF1xPP)も組み込み、オールバンド10W機です。
KP6Dを組み込み易いように、YM250を加工しています。 そのケース加工を ◇OPTION-13 KP6D用 ケースYM250加工でお手伝いします。

ご希望の方は、(OPTION-13)ケースYM250加工お手伝い で頒布◇PICの頒布  

(OPTION-9) BN202材 RD15HVF1 プッシュプル 10Wアンプへスキップ(本ページ後半)2021.04.27追加

前面パネルには、
 AF Gain、RF Pwr、BPFのVR、TX-SW、
 DDS基板一体の2個の6PトグルSWによりLSB/USB/CW切替
 Mic、Key Jack等。

バンド毎のRF_BPFは、チューニング電圧プリセット基板を内蔵し、BPF_VRを左回し切り状態で VR操作なしで、全バンドに同調します。
28MHz帯のように 広域バンドでは、このBPF VRを 左端から少し回すことでファインチューニング操作をします。(他バンドも同様)

 チューニング電圧プリセット回路基板の DIP_SWをONにすると BPF VRで1.25〜16Vの連続チューニングができます。 

保護フィルムを剥がしておらず、パネル面が汚いのは、ご容赦を。



  ◆仕様◆
 外形寸法 タカチYM250 250mmW x50mmH x 180mmD
 重量 1.2kg

 周波数範囲 送受信バンド 3.5M  7M  10M 14M  18M  21M  24.5M  28M  50M の9Band
 電波形式 A1A(CW) , J3E(LSB/USB)
 周波数ステップ 最小50Hz 1kHz および 10kHz
 アンテナインピーダンス 50Ω不平衡、 BNCジャック

 定格電圧 13.5VDC
 消費電流 13.5VDC受信時 0.3A
       13.5VDC送信16W出力時 3.5A 、

 受信感度 0.25uV(-120dBm)以上
 スプリアス強度 -50dBc以下。50MHz帯においては -60dBc以下。

 Filter帯域(-6dB) 2.4kHz(SSB) , 1kHz(CW)
 Local OSC DDS(AD9834); 15MHz〜42MHz 
 CW運用時サイドト−ン 800Hz内蔵


◆製作時間 



今回は、製作時間を記録してみました。
 製作を開始してから 5か月で延べ74時間程度を要しました。
 途中、中国に発注していた3.5M& 50Mモジュール基板の到着に2.5か月ほどかかり、その間、製作がストップしていましたので、実質2.5か月、74時間の製作時間でした。

基板は、大雑把に分けて、Generator, RF Converter, DDS, 10Wリニア& LPF の4種類x各10時間、ケース加工に10時間、総合組立&調整に25時間という配分でしょうか。



◆下の写真; 上面カバー、底板を外した内部
左側にRF Coverter部 100x100mm。右側がLPF基板100x75mm。その右わきに50MHz専用RXAmp 24x36mm。
前面側は、局発DDS発振基板 高37.5x100mm x30mm厚 をケース前面パネルにねじ止め。
ロータリーエンコーダの右上には、BPFチューニング電圧プリセット基板 26x50mm。  


10Wリニアへの電源( TXB+, B+, GND)は、中シャーシに3端子ブロック(写真の青色ブロック)から供給している。 このブロックのねじを緩めれば、10Wリニアは底板と一緒に外せる。

 



◆DDS基板との配線

DDS基板は、後面の 9Pin,6Pin ヘッダーピンで外部と接続されている。
 左写真のとおり。

この二つのフレームソケットを抜くと、DDS基板は 分離して取り出せる。 このようにフレーム接続にしておくと  あとのメンテナンスが楽になる。   



 ◆下;ケースの底蓋を外した状態。Generator基板と 左の余白部分は、RD15HVF1xPP 10Wアンプ、スピーカ用の空間。

 前後面パネルは、アルミアングル L12mmにより接続・一体化された状態で全基板が露出しメンテナンスが容易。

●KP6D 3.5M, 50MHz 追加組込み

  標準の RF Conv基板に上記の2Bandを追加する。

左写真は、RF Conv基板と、これから追加する、 3.5M, 50MHz各バンドモジュール。 RFConv基板は、標準通りで Band A(21-28MHz), Band B(14-18MHz), Band C(7-10MHz)であるが、各バンド間のスペースの(10kコイルと 10Kコイルの間の)、抵抗、ダイオード、コンデンサを基板裏面に取り付けると、その上面は、空間ができる。

その空間に 3.5M, 50MHz各バンドモジュールをすべりこませると、右写真のようになる。
◇RF Converter基板の 製作マニュアルのダウンロード ・・PLL式KP6と同基板です
◇OP-14 追加3.5M と50MHzモジュールのダウンロード


◆(下図) 9バンド化のLPF構成
LPF基板には5回路のLPFが組込み可能であるが、どのような組み合わせで、 HF〜50MHz 9Band対応をするか、というのが課題になる。
標準回路では、7M用、10M用、14M用、21M用、28M用の5回路。
 新たに50MHz用を追加するために、10M用は省略し、14MHz用と兼用した。 14M用LPFは、20MHzで約-25dBcの減衰があり、またRD15HVF1xPPの2倍高調波は、アンプ単体で-40dBCほどであったので、10M帯も総合的に -50dBc以上の減衰が得られる。

   次に 3.5MHz用LPF。これは、下図右のように 7MHz用LPFに 小型のリードリレーにより、LPF中間段に2040pF(510pFx4)を追加した。
  回路的には、Lマッチにより50Ωから25Ωにインピーダンス変換を行い、25Ωの fc=3.8MHzのLPFを構成し、それを通過後に 再度Lマッチで50Ωに戻す回路となる。 インピーダンス変換を効率的にやれば 損失はほとんどゼロで 3.5MHzは通過する。
   実際に 3.5MHz通過損失と 2倍高調波(7MHz)の通過減衰特性を実測したら、右図のように-26dBC/7MHzであった。(オッシログラフ横軸は1MHz〜11MHz)
RD15HVF1xPPの2倍高調波は、アンプ単体で-40dBCほどなので、3.5MHzにおいても 法規制の-50dBcをクリアする。

下左写真のように 一番下の7MHz用LPFに 追加したリードリレーと 510pFx4パラが見える。


●DDS局発 

  先に紹介した(K12) と同じものです。

● プログラムソース

プログラムソースは、マウス右クリックで「対象をファイルに保存」を選んで、ダウンロード。
PIC16F819用プログラム。 (K12)用と同じです。
KP6TD1のように末尾に "1"がつくものは、SG機能を追加しました。 Band SWを押しながら電源投入すると SGモードで立ち上がります。Generator基板や RFConv基板の調整に便利です。 
 
◇ダウンロード KP6TD1.asm &.hexのzipファイル



● その他

◆BPFバリキャプ・チューニング電圧 プリセット回路

 50MHz帯、3.5MHz帯のBPFは、固定コンデンサーなので BPFチューニング電圧は不用ですが、Aバンド(21,24,28M)、Bバンド(14,18M)、Cバンド(7,10M)のBPFは、チューニング電圧が必要です。  バンド切替時に、バンド毎のプリセット電圧を発生させる基板を追加することにより、バンド切替時ごとのBPFチューニング操作が不用となる。

LPFのバンド切替回路(RFConv基板のHC595+2SC1815)と同様に PIC16F819からの信号(B+5V,Ser,RCK,SCK)により、バンド毎のTRを ONにし、それに接続している半固定VR(4.7kΩ)で プリセットされた電圧を出力する。
LM317Lの電圧降下が1.5V程度あり、リグ電圧B+12Vでは不足なので、専用のインバーター回路(MC34063A、+24V x20mA)を組み込む。これによりリグ電圧には関係なくLM317Lには、常に+24Vが供給される。
 例として、VR4.7kΩを 2kΩに調整すると
 1.25x(330Ω+2kΩ)/330Ω=8.8V がBPFチューニング電圧となる。


 このチューニング電圧プリセット回路は、26x50mmx 0.6tの小型基板に組込み、YM250ケースの右下の空いた空間に押し込む。

 基板に付属するDIP SWは、
・DIP-SW OFFで バンドごとにプリセット電圧
・DIP-SW ONで 外部2kΩVRにより、1.3-16Vの連続可変ができ、BPF調整の際に便利。

 インバーターIC MC34063A(SOP-8P)、チップTRは、基板裏面に半田付け。
チューニング電圧最大(13V以上〜20V)で同調する10MHz BPFは、3.4kΩ(6.8kx2)固定、
21MHzは最低電圧(1.5V) 100Ω固定とする。 VRパターン箇所にチップ抵抗を付ける。



●RD15HVF1 xプッシュプル 10Wアンプ 

◆RD15HVF1 プッシュプルアンプ基板外形写真。
基板は、OPTION-9/リニアアンプ10Wですが、今回は、50MHzの効率アップを狙い、従前のRD16HHF1に代えて、RD15HVF1xPPとした。
  出力トランスは、現在頒布中のφ14コアの手持ち在庫が払底しそうなので、後継機種用としてメガネコアBN-43-202 x2個を使用した 1:4トランスを試した。

 基板の下側より入力(0.7W)で、上側へ出力(10W)で、HF帯7MHzは、16Wほど出る。50MHz帯は、ぎりぎり10WでLPFを通すと、10Wを下回る。
2倍高調波は、思った以上に低減していて アンプ基板付きのLPFは省略した。

 この基板は YM250の底板に組み込まれていて、放熱器も付いているので、このまま実負荷テストができる。 ちょっと見えにくいが、基板左上に 本体の3端子ブロックと接続する B+13.5V電源供給ケーブル(赤/黒)が見える。
 隣には、底板のスピーカーも見える。

◆回路図を下に示す。
RD16HHF1 は、RD15HVF1と読み替えてください。トランスと並列接続のコンデンサは、59pFとしている。 出口LPFは、省略している。

RD16HHF1を RD15HVF1に変えた効果は? きっちり定量的測定はしていないが、ほとんど変わらない。50MHzで若干効率がいいかもしれないが、50MHzでは入力を増やしても 出力は10W以上はほとんど増えない、 広帯域コンベンショナル・トランスでは、これ以上は難しいか?
出力トランスの出力は、BN-42-202 は従前のφ14mmコアとほとんど変わらない。少し出力が下がるか? ただし、プッシュプルの対称性はよくなるようで、2倍高調波は下がる。

●その他 各部PCB基板の詳細

各基板の詳細は、以下のページへ。
Gen基板は、従前のPLL局発のKP6と同じものですが、◇Genrator基板のページへ

本機を1W機として 外部に接続するアンプとして ◇OPTION-9/リニアアンプ10Wのページへ

参考まで HF帯のみ機の場合の ◇RF Coverter基板のページへ

参考まで HF帯のみ機の場合の ◇LPFのページへ

参考まで ◇KP6トランシーバの改善点、追加データ、Hint、アクセサリーetc. 2017.09.20



"ひとつ前に戻る"には、ブラウザの「戻る」で戻ってください。

◇ホームページ インデックスへ戻る