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ALCは気泡コンクリートと呼ばれる特殊コンクリートの一種です。気泡コンクリートとは、セメント中にスポンジ状の気泡を入れて軽量化をはかったコンクリートのことで、 @ 建築現場でセメントに発泡剤を加えて固化させる現場打ち気泡コンクリート(サーモコン、フォーミックス等とよばれるものがあるそうです。) A 工場で発泡・固化後に高温高圧中で蒸し焼き(オートクレープ養生処理というそうです。)にして製造されるALC(Autoclaved Lightweight Concrete) に大別されます。 ALCの歴史は意外と古く、1923年にスウェーデンのJ.A.Eriksonという人がALC製造の特許を取得しています。そして、1929年に同国でイトンという銘柄のALCの製造が開始され、その後、シポレックス(スウェーデン)、へーベル(ドイツ)、デュロックス(オランダ)等が次々に製造されるようになりました。日本には、1963年からALCが導入されるようになり、現在では上記の代表的4銘柄が全て国内で生産されるようになっています。 ALCの原料は、銘柄によって若干異なりますが、珪石、セメント、生石灰等に発泡性のアルミ粉末と安定剤及び水を加えたものです。これらを混合しスラリー状態にした後、鉄筋がセットされた型枠に注入し発泡を待ちます。やがて、発泡により容積が2倍程度になるので、これを所定の寸法に切断して、180℃、10気圧という高温高圧下で5〜10時間程度蒸し焼きにします。この過程で水熱反応が起こり、化学的に安定なトバモライト結晶が形成され、ALC製品が出来上がるわけです。 |