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旭化成さんをはじめ、ALCメーカーはALCの断熱性能の高さを宣伝しています。それに対して、特に高断熱住宅にこだわる工務店や個人の方からは、ALCの断熱性能はたいしたことはない、あるいは低いという声をよく耳にします。いったいどちらが正しいのでしょうか? まずはそれぞれの言い分を聞いてみましょう。 どうでしょう、両者の論点がずれているのがお分かりでしょうか。 旭化成さんが壁材、床材などの建築部材としての優れた断熱性(木材は建築部材としては非常に優れた断熱性能を持っています。)を主張しているのに対し、某研究家の方は、純然たる断熱材(断熱のためだけの材料)と比較しているのです。いくらALCの断熱性が高いとはいえ、結局は建築部材ですから、純然たる断熱材より断熱性能が劣るのは当然です。このため、ヘーベルハウスでは、ALCに発泡ポリエチレン系等の断熱材を併用することで適度な断熱性能を達成しているのです。 また、いわゆる断熱材の耐久性は決して高いものではなく、グラスウールで10年程度、発泡系断熱材でも20〜30年程度で劣化による断熱性能の低下が予想されるのに対し、ALCの断熱性能は(適切にメンテナンスが行われれば)、50〜60年以上保たれることが期待できるのです。さらに、現場で施工される断熱材では、施工方法が悪いとカタログどおりの断熱性能が得られないのに対し、ALCパネルはJISに基づく所定の断熱性能をクリアした状態で使用されるので、ほぼカタログどおりの性能を発揮できるはずです。 要するに、ALCは、断熱性能だけを比べれば通常の断熱材には劣るが、施工によるばらつきが少なく長寿命であるという特徴を持つため、適切な断熱材と組み合わせることで、長期にわたって適度な断熱性能を達成できると考えられるのです。 |