Cherubの「つれづれ寸評」



◆バックナンバー◆


6月3日

  肥満は年々増えている。平成16年11月、無作為抽出した20歳以上の約3,900人を対象に実施された「平成16年 国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、推計で成人の約1,300万人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という。有病者一歩手前の“予備軍”も約1,400万人で、両方合わせると約2,700万人となり、国民の5人に1人という割合になる。中高年になるほど増加傾向を示し、40〜74歳では有病者数は約940万人という。男性では2人に1人、女性では5人に1人が有病者だ。

◆メタボリックシンドロームは、内臓に蓄積した脂肪が一因となって高脂血症、高血圧、高血糖などを重複して発症した状態を指す。原因は運動不足と栄養の取りすぎである。腹囲(へそ周り)が「男性85センチ、女性90センチ」以上の人で、かつ高脂血症、高血圧、高血糖のうち2つ以上に該当する人を有病者、1つに該当する人を予備軍とされる。

◆内臓脂肪型の肥満に高脂血症、高血圧、高血糖の症状が重なると、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などに進行し、深刻な状況に至るといわれている。これらの疾患は自覚症状に乏しいだけにやっかいだ。食生活にもっと関心を持たなければならない。早死にしないためにも日ごろの摂生が第一、と思う。

平成16年 国民健康・栄養調査結果の概要について(厚生労働省)

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6月17日

 海外からも評価が高い福井俊彦日銀総裁による村上ファンド投資問題が世の中を揺るがせている。村上ファンドの村上世彰前代表はインサイダー取引の容疑で逮捕されたが、その村上ファンドに1,000万円投資し、年間利益は多い時で数100万円に達したという。同じ1,000万円を普通預金に預けても、1年の利息は数100円にしかならない。これが日銀の超低金利政策によるものだけに腹が立つ。

◆日銀には、「個人的な利殖を慎まなければならない」との規定もあるやに聴く。民間人として、ファンドに出資したり、株式を保有するのは自由だ。しかし、総裁就任後もなぜ出資を続けたのか。総裁に就任するまでに解約を済ませ、関係を解消するのが本来の在り方だ、と思う。

◆問題は、小泉総理の「ルールにのっとっていれば問題ない」という援護に、総裁は「感謝している」と述べているが、これで日銀の独立性が守られるのか。「通貨の番人」としての信頼を失った責任は重い。いま、総裁としての道義的責任が問われているのだ。「李下(りか)に冠を正さず」である。

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6月24日

 損保ジャパンに続いて三井住友海上保険が一部業務停止命令となった。保険金不払い件数の多さに驚く。とりわけ、悪質な不払い事例が医療保険に目立つ。告知義務違反を不当に厳しく適用していた。請求がないとして、主契約と別に付いている特約保険金を支払わなかった例も多い。保険金をきちんと支払うという基本がおろそかになっているとしか思えない。

◆いざというときに備えて掛けたはずの保険が、必要なとき支払われないのでは保険会社に対する信頼は揺らぐ。業務停止という厳重処分は当然だ、と思う。

◆これらの背景には収益力優先の経営戦略がある。業績と規模拡大を重視する企業体質は業界全体に働いているとしか思えない。

◆問題は保険業界の顧客軽視の構造にある。業界全体の危機として問題を見詰め直す必要があろう。いずれにしても、各保険会社には1日も早く保険金支払いの査定システムなど内部管理体制を十分に整えて不正行為を防いでもらいたいものだ。

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