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◆中国は伝統的に道徳を大切にする「礼節の国」として一目置かれてきた国であるが、経済至上の流れの中で倫理感欠如が浮き彫りになっているらしい。一党主導の経済大国が礼節国家復権を訴えている。どう脱皮するか注目されるところだ。
◆マナー改善を目指す「文明素質行動計画」が展開される中で注目されるのは、日本の二宮尊徳に熱い視線を向ける動きがあることだ。昨年、大連の大学に「二宮尊徳研究センター」が設立され、今年の8月には国際二宮尊徳思想学会も開催されている。
◆「経済を伴わない道徳は寝言である。しかし、道徳を伴わない経済は罪悪である」(二宮翁夜話)といった尊徳語録が彼らの胸を打つている。われわれも二宮翁の語録に耳を傾けて、礼節の国になり、もっと優しいすばらしい国にらなければならない、と思う。
◆後藤田正純衆院議員は「最高裁や金融庁の有識者懇、与党合意などが規制強化で一致しているにもかかわらず、金融庁案では特例金利などが長期間残る。承服できない」と内閣府金融担当政務官を辞任した。もっともな言い分だ。
問題点は2つあり、ひとつは年利15〜20%の利息制限法を超えていた出資法の上限金利(グレーゾーン金利)とほぼ同じ金利が、特例を理由に改正法の施行後最長8年間存続し「改正が事実上骨抜き」になることであり、もうひとつは総務企画局長の私的有識者懇談会「貸金業制度等に関する懇談会」での議論や、担当の与謝野馨経済財政担当相のこれまでの発言と全く反対の改正案が作られたことであろう。
◆消費者金融の大手5社が2005年度に保険金支払いを受けた件数は延べ3万9,880件。このうち借り手の自殺によって3,649件の生命保険の支払いを受けていたという。借り手の命を担保に貸し金を回収していたのである。そういう業界に味方する改正案を作った金融庁の幹部、その法案の骨格について大筋了承する与党議員はいったい何を考えているのか。道理をわきまえて、利用者保護に立った仕事をして欲しい、と思う。
*金融庁が自民党に提示した改正案
〈1〉出資法の上限金利(年29・2%)を利息制限法の上限金利(年15〜20%)まで下げてグレーゾーン(灰色)金利を廃止する。
〈2〉施行から3年間は引き下げの猶予期間とする。
〈3〉猶予期間後も最長5年間は、小口・短期の融資に限って年28%の特例高金利を認める。
このため、猶予期間や特例で、施行から8年間は利息制限法の上限を超える高金利の融資が残る。
特例高金利で対立 貸金業規制法改正案 : 金融ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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