Cherubの「つれづれ寸評」



◆バックナンバー◆


10月17日

  北朝鮮は7月のミサイル連続発射に次いで9日に核実験に踏み切ったと発表した。またも脅しをかけてきた。まことに卑劣である。常軌を逸した身勝手な行動だ。 狙いは米国の金融制裁解除、米朝直接対話にあるようだが、これはわが国に明らかな軍事的脅威であり、被爆国日本として核実験は絶対に許せない。

◆米国は厳しく北朝鮮に核計画の放棄を迫り、中国は北朝鮮の核開発をやめさせようと融和策をとってきたが、北朝鮮の野望を変えさせることができなかった。各国のとりわけ日中韓の足並みの乱れが、北朝鮮につけ込まれる余地を与えているのだ。

◆北朝鮮が核を持ち続ける限り、国際社会から孤立し、経済も立ちゆかなくなることをはっきりと突きつけなければならない。国連安全保障理事会が核実験から日を置かずに制裁決議(国連憲章7章41条)を全会一致で採択し、制裁が直ちに発動されたものの中ロ両国に譲歩し、制裁範囲が経済・外交面に限定されたことから、どの程度実効が上がるのか分からない。

◆問題は、国連加盟国が制裁にどう取り組むかである。中国は北朝鮮に食糧支援の半分とエネルギーを供給し、北朝鮮での資源開発にも力を入れている。効果のある制裁の方法をいくつも用意できるのは中国でしかない、と思う。

*北朝鮮制裁決議を採択 経済で圧力、武力行使排除
 【ニューヨーク14日共同】北朝鮮の核実験実施発表をめぐり、国連安全保障理事会は14日午後(日本時間15日未明)、非軍事の経済・外交制裁を規定した国連憲章7章41条に基づき、日米韓など9カ国が共同提案した北朝鮮制裁決議を全会一致で採択した。
 安保理の5常任理事国と日本は、採択に先立ち同日、大使級会合を開き、ロシアと中国の主張に配慮、最終案のうち北朝鮮船舶などへの貨物検査(臨検)と禁輸対象に関する規定を一部手直しした。
 北朝鮮が1991年に国連に加盟して以来、安保理が北朝鮮制裁決議を採択したのは初めて。
 9日の核実験実施発表から異例のスピードで厳しい圧力強化策を打ち出し「必要ならさらなる決定を要求する」と追加措置の可能性を盛り込んだ決議を突き付けることで、安保理は強い警告を発することになった。
 決議は「(強制措置の法的根拠となる)国連憲章7章に基づいて行動し、7章41条の下で措置を講じる」と明記。
 その上で(1)戦車など指定された大型通常兵器、核・ミサイル・大量破壊兵器関連物資、ぜいたく品の禁輸(2)大量破壊兵器計画への関与が認定された個人や団体の海外の金融資産凍結(3)同計画への関与が認定された個人の海外渡航禁止に向けた必要措置−などを国連加盟国に義務付けた。
 さらに大量破壊兵器の移転を阻止するため、加盟国の国内法や国際法を踏まえながら、必要があれば北朝鮮を出入りする船舶などの「貨物検査(臨検)を含む協調行動」を求めた。
 また海外渡航禁止や金融資産凍結などの対象となる北朝鮮の個人や団体を指定したり、実施状況監視のため、安保理理事国で構成する制裁監視委員会の設置を求めた。
 制裁監視委は最低90日ごとに監視結果を安保理に報告。加盟国は採択から30日以内に実施状況を安保理に報告する。

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10月27日

 全国の高校で必修科目の未履修が相次いで発覚し、46都道府県で592校(公立336校、私立256校)で、少なくとも7万2516人にのぼるという。あそこもここもと発覚し、収拾がつかない状態だ。

◆未履修の原因ははっきりしている。多く高校は受験科目優先の受験シフトをとって、入試に必要ない科目の履修を省いたためだ。受験競争に左右されてしまう学校教育の無力を知った。今回の事態を契機に、高校における学習の意味もあらためて問い直したい、と思う。生徒にとっては、何のために勉強するかだ。

◆入試に必要ない教科を切り捨てるのでは本末転倒と言わざるを得ない。世界史を履修させず、日本史と地理のどちらか1科目しか受けさせていないところが目立った。高校の履修単位数は、かつての半分近くに減ったが、それでも31単位が必修とされている。高校は予備校とは違う。多様な人材育成のため、入試科目の有無にかかわらず、各科目の意義を理解させ、教養を身につけさせるところだから「高等学校」というのではないか。

◆最も問われているのは、実は大学の姿勢だろう。特定の少数科目に絞って入試科目としている大学の在り方、ゆとり教育学校5日制などを含めて、高校の在り方を考え直すきっかけにしてほしい、と思う。

◆授業を省かれてしまった担当教師にも言いたい。教師としての誇り、教科に対する誇りはないのだろうか。

◆この未履修に関してもうひとつ忘れてならない問題として、社会の規範となるべき先生が教育委員会に虚偽報告をし、生徒の成績表も改ざんしていたということである。これは明らかな公文書/私文書偽造という犯罪行為であり、不問にしてしまう訳にはかないと思うのだが・・・・・。




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