Cherubの「つれづれ寸評」



◆バックナンバー◆


12月10日

  地方自治で官製談合がわずか2カ月余の間に相次いでいる。収賄と談合の容疑で福島県、和歌山県の知事が、そして宮崎県知事がそれぞれ逮捕された。連鎖反応を示す「ドミノ倒し」現象である。一体どうなったのか。地方自治への信頼を根底から揺るがすものであり、分権改革どころではない。

◆背景にある構図は3県とも建設業界資金と集票、その見返りといったことがほぼ共通している。「知事とカネ」の背景に選挙が深く関係しているということが分かる。地方分権の時代を迎え、役割が高まっているこの時期に知事による腐敗の噴出は本当にあきれるばかりだ。

◆93年、同様に知事が相次いで逮捕されたゼネコン汚職事件があったが、今回の場合は側近が「仲介役」として隠れみのになるなど仕組みは巧妙になっている。これは知事が持つ絶大な人事権に側近である県職員らは怯えてかしずき、上司である知事の指示を拒めないことにある。

◆談合体質を断ち切るためには行政側が業者を選ぶ指名入札はやめ、誰でも参加できる一般競争入札にする。そして情報公開を進め、絶えず議会の厳しいチェックを仰ぐことだ、と思う。

・参考
談合の歴史(Web東奥・天地人20041007)

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12月30日

 労働政策審議会の労働条件分科会で労働時間のあり方を見直すべきかどうかの審議が大詰めを迎えている。
今、審議されている新しい労働時間制度では、一定の要件を満たすホワイトカラー(事務系労働者)は労働時間に縛られず、本人の裁量で自由に働けるようになり、一日八時間の労働時間規制からはずれ、「残業」という考え方自体がなくなる。平たく言えば、「残業代なし勤務制」だ。日本版ホワイトカラー・エグゼンプションと呼ばれる。エグゼンプションとは免除することをいい、残業代の免除を意味する。長時間労働をこなしても残業代は支払われなくなるのだ。

◆この背景には、就業形態の多様化、成果主義の広がりがある。「時間に縛られない自由な働き方で成果を出す」制度だが、給料は実績で決まる。それだけに、実績を挙げようと長時間労働となっても、残業代がまったく払われなくなる。経営者には、残業代カットによるコスト削減という大きなメリットがあるわけだ。

◆対象者の要件を、年収が相当程度高く、重要な権限や責任を相当程度伴う地位にある人などとしているが、労働時間を自らコントロールできる労働者が実際にどれだけいるだろうか。新しい流れを創って、不払い残業を合法化する方向をめざすのはいただけない、と思う。

◆年収400万円以上あれば適用できるようになると、年間総額で11兆円、一人100万円以上の残業代が減るとの試算がある。


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