茶道を楽しむ 表千家不白流 清風会師範 石原宗牛
E 茶道徒然草
稽古の心
茶道教室に入門すると、作法と称する手順を次々とご指導いただく事になる。先回習った事をまたやってみる。
茶筅を入れたから次に釜の蓋をとって、と。
先生が「うーん(違う)、柄杓。」
私は「あー、そうだ。そうですよね柄杓ですね。」と騒ぐ。恥じてか、悔しくてか、体もはねる。
そして先生が更に、
「違っても、落ち着いてスマして流しなさい。違って騒いではますますお点前が見苦しいですよ。お茶が点てられて、点てたお茶をお出し出来れば良いのです。」
「京の舞妓さんは、間違ってもスマーシてお点前を進めますよ。」
と、口にされる。
私は、恥ずかしい限りである。
人から「それは違う」と言われると、ちょっと勘違いしただけだ、知っているよ、そうそう違うよな等々、とりつくろおうとする。これがいけません。今はお稽古しているのだという事を忘れてしまうのです。(宗牛 2010/7/7)