茶道を楽しむ    表千家不白流 清風会師範 石原宗牛

目  次

  A ようこそ    B 抹茶を頂こう C 動機不純な入門 D 美味しい水 E 茶道徒然草

 


E 茶道徒然草

立礼(ryurei)の鬼

 「立礼の席がありますから、やって下さい」と、先生からご下命。これはお稽古ではなく、人前でお茶をお出しすると云う事だ。

 入門してまだ一年が過ぎたところというのに、そんなに私は優秀なのかしらと一瞬うぬぼれて、緊張する。


「立礼の席」とは、お茶をお出しす
る場の様式のひとつで、お客やお点前する者は椅子に腰掛けて行うものなのです。この様式は明治になって裏千家にて始めたという比較的新しい様式と何かで読んだ事がある。椅子に腰掛けているのだから畳に座っているのと違って足が痛くならず、お点前に集中出来るから、新人に向いているのです。


 「はい、立礼の鬼となりましょう」とうそぶき手順を何度も頭で繰り返し臨めば、なんともはや、席入りしたとたんスウーと頭が白み  −確かに髪は白くなっている−  はてどうするんだったかな?となって、茶筅を持つ手が振動し、なかなか収まらない。後は無意識に、本能で進めた次第です。

 無意識に進めるなど修得の極みである、と心を慰めたものです。 (宗牛 2010/7/6)

 
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