茶道を楽しむ 表千家不白流 清風会師範 石原宗牛
E 茶道徒然草
立礼(ryurei)の鬼
「立礼の席がありますから、やって下さい」と、先生からご下命。これはお稽古ではなく、人前でお茶をお出しすると云う事だ。
入門してまだ一年が過ぎたところというのに、そんなに私は優秀なのかしらと一瞬うぬぼれて、緊張する。
「はい、立礼の鬼となりましょう」とうそぶき手順を何度も頭で繰り返し臨めば、なんともはや、席入りしたとたんスウーと頭が白み −確かに髪は白くなっている− はてどうするんだったかな?となって、茶筅を持つ手が振動し、なかなか収まらない。後は無意識に、本能で進めた次第です。
無意識に進めるなど修得の極みである、と心を慰めたものです。 (宗牛 2010/7/6)