茶道を楽しむ 表千家不白流 清風会師範 石原宗牛
E 茶道徒然草
野点(nodate)
近くの大学に、国際会館と称する海外留学生の為の寮があります。そして、留学生の生活支援ボランティアチームが活動しています。ご縁があって「私がお茶を振る舞いましょう」とお願いして始めた茶会を、留学生交流茶会と称し毎年秋に開催しています。
いつからか私の師匠にもお願いし、お道具など一式持ち込んで頂いております。
ある秋は野点としました。
人手や、資材が豊かにあれば、杭を打って木枠を建てる所でありましょうが、そうは行かない。
「ザイリョク」という言葉も知らぬわたくし故、身の回りに有る物でこなさねばなりません。寮の建物の二階の窓と庭向うの桜の木とにロープを張り、それに幔幕をなんとか取り付けたのです。
紋付の着物に袴のいで立ちのまま、割烹着を付け飛び回る所に加え、秋の西日厳しく、下着の襦袢を抜けて着物にまで汗がにじむ始末。こうなると着物のシミ抜き処理をせねばならぬが、金の掛かることにもなり申す。お手伝いに参加して頂いた鷲尾社中の方がたにも、気の毒なことでありました。
ええい、これも日本文化発信による世界平和への道程ゾ。裏千家大宗匠も言われる「文化の力」を信じよう。(宗牛 2010/9/30)