Cherubの「つれづれ寸評」



◆バックナンバー◆


3月11日

  「新人獲得活動において利益供与を一切しない」などとした宣言を踏みにじった西武の行為は許せないものだ。

◆一場事件を機に日本プロ野球組織(NPB)は「倫理行動宣言」を採択したが、西武はそのあとも野手に500万円を支払ったという。罰則のない宣言といえども決めたルールは守らなければならない。

◆こうした不祥事は選手が球団を選べる「希望枠」がある限り、不正はつきまとうものだ。「不正の温床」を残さないためにも制度の見直しが必要であろう、と思う。倫理観を喪失した社会の寂しさを改めて感じる。


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3月17日

 それにしても、電力業界の相次ぐ事故隠しやデータ改ざんなどの不祥事が後を絶たないのに驚く。 今度の北陸電力の臨界事故には思わず身震いがした。 誰も被爆しなかったし、放射能漏れもなかったから隠し通せると考えたのであろうが、身勝手で悪質このうえない。 原子力発電への信頼は地に落ちたというべきであろう。

◆北陸電力が放射能漏れ事故につながる恐れがあった臨界事故を約7年9カ月も国に報告せず、隠し続けていたことにあきれて物も言えない。 信じがたいことに、事故は当時の発電所長ら幹部が「現場ぐるみ」で隠ぺいしていたという。 会社ぐるみによる組織的なもので悪質であり、原発への信頼を裏切る重大な背信行為である。 安全軽視の姿勢には驚くばかりだ。 原子力発電を扱うモラルの欠如が恐ろしい。

◆ 原発は、ウランなど核燃料の核分裂反応で生じるエネルギーを利用している。 臨界は、核分裂反応が連鎖的に起きる状態で、脱落した制御棒の本数がもっと多く、挿入に手間どっていたら、制御不能となって臨界を制御できない状態が続けば、周辺住民らが被ばくする重大事故につながる恐れがあった。 なぜなら、原子炉圧力容器とそれを覆う原子炉格納容器のふたがともに外され、炉心はむき出しの状態だったのだから。加えて、人為ミスで緊急停止装置も機能しなかった。 原発関係者は、小さなミスの連鎖と安全性への過信が史上最悪のチェルノブイリ事故となったことを、常に肝に銘じるべだ。

◆ミスと緊張感の欠如が生んだ事故といえるが、安全性の軽視と根深い隠ぺい体質はもはや看過できない。 今回の臨界事故隠しが発覚したのは、経済産業省原子力安全・保安院の指示で総点検していて、社員からの事故隠蔽の報告があったからだ。救いはこの勇気ある社員がいたことだ。況してや不正を告発するケースはまれである。 不都合な事実をすべて覆い隠そうとする電力会社の体質・風土を変えなければならない。 そのためには、社外取締役の過半数化と執行役員の社外公募制の導入を考えるほどの大手術が必要である、と思う。 事実を正確に公表することが信用につながるということを知るべきだ。



臨界とは

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