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◆今回の事故は、車輪を車体に固定する車軸が折れて脱線したもので、金属疲労によるものとされている。 運行してから15年にもなるのに、1度も交換されていなかったというから、事故は起こるべくして起こったといえる。 金属疲労などによる損耗が予想される部品の点検・交換は安全の基本であろう。
◆痛ましい事故なのに、事故後の会見で会社側は事故の重大さを微塵も感じ取っていない有様で、保身そのものであった。 安全軽視にはあきれるばかりだ。これでは犠牲者は浮かばれない。
◆今回の事故では、危険度が高い遊具であるにもかかわらず安全装置のないことや点検のずさんさが明らかとなった。 遊具とはいえ、最高時速が75キロも出るのだから、交通機関やリフトに準じた規制が欠かせないと思う。 スピードとスリルが売り物の遊具は、安全確保が最優先されてしかるべきだ。 安全管理体制の厳密な検証が求められる。人命軽視は許されない。
◆年金記録をめぐる不祥事を背景に社保庁の改革が叫ばれているが、今の社保庁を廃止・解体しても、そこで働く人達の意識や仕事の仕方が変わらなければ、元の木阿弥だ。機能できる仕組み作りには意識改革こそが大事である、と思う。ただ仕事を民間へ外部委託することで、顧客の立場に立ち、サービスが向上するという考え方は短絡的だ。
◆年金問題でまず見据えるべきは保険料の負担であろう。国民年金保険料は、今年の4月から月240円引き上げされ、所得に関係なく月額1万4,100円となっていて、低所得者層にかなりの負担を強いている。社保庁では最終的に月額16,900円を予定としているが、これは2017年3月までのことらしい。2017年度は20 , 860円、27年度は25 , 680円、37年度は31 , 600円となる見込みといわれている。果たして所得は10年後に1.48倍、20年後に1.85倍、30年後に2.25倍といった程度に増えていくであろうか。所得に応じて保険料を負担する仕組みを考え、そのような制度の導入を図らなければならないのではないか、と思う。
◆それから、年金は将来に向けた保障であるだけに何よりも信頼がなければならない。記録漏れは公的年金制度への信頼を揺るがす最たるものであり、次々に新たなミスや問題が出てきていることに社保庁の職員や彼らを監督・指導する役人、政治家はどの程度深刻に受け止めているのであろうか、よくわからない。不祥事が社会問題化してから社保庁の職員の応対が少しばかり親切になったといわれるが、その程度の変わり様では困る。われわれ1人ひとりが年金をめぐる諸問題についてしっかりと見据えなければならない。
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