Cherubの「つれづれ寸評」



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10月11日

 思い込みと自白偏重の捜査は冤罪を生みやすいことが、あらためて明らかになった。 被害者の「似ている」との証言をうのみにした強引な取り調べ、物的証拠やアリバイの成立を見逃した捜査が冤罪を生んだ。

◆服役後に無実と判明した再審判決公判で富山地裁高岡支部は、真犯人の存在を断定した上で強姦罪などに問われた柳原浩さん(40)に無罪の判決を言い渡した。 無実と判明した無罪判決は当然であるが、真犯人の自白がなければ柳原さんの無罪はあり得なかったということを忘れてはならない。

◆再審では誤認逮捕から誤審に至る実態の解明はなく、裁判所に再発防止を目指す姿勢が見られなかった。 間違った実刑判決を下した原審の裁判所の担当裁判官の責任は重いのに、である。残念だ。 過ちを犯した警察と検察その過ちを見過ごした弁護士や裁判所の責任は一体どうなったのであろうか。 なぜ、誤った捜査が行われたのか明かされない。真実は闇に葬られたままだ。 誤審に至った捜査、裁判を徹底的に検証されなければならない、と思う。

◆虚心に調書や証拠を精査し、真実を見出そうとしない裁判官は職を辞してもらいたい。 国選弁護人の弁護のあり方も問われなければならない。 被告の自白と有罪をうのみにして、情状酌量を求めるだけが弁護の仕事ではなかろう。 調書や証拠の開示を要求し、その矛盾点を突いて無実を探ることが国選弁護人であっても弁護人としての務めではないのか。 費用の面で活動に制約があるのならば、私選で弁護士を依頼できない貧しい人々が、無実の罪で陥れられないようにするため、十分な弁護ができるように制度的に保障すべきだ、と思う。


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10月30日

 防衛省と億単位の取引をする業者との癒着疑惑が浮上していた守屋武昌前事務次官の証人喚問が29日に行われた。 実に淡々とした口調で過剰接待の実態を次々と語ったが、国民注視の問題には口をつぐんだ。 倫理観のかけらも感じさせない冗舌な証言は聞くに堪えない内容だった。

◆接待の見返りとして装備品調達などで特別な便宜を図ったことはないと全面否定した。 便宜供与を否定した証言は信じ難い。 何の見返りも期待せずに、業者はあれほどの接待攻勢をし続けるものだろうか。 常識はずれも甚だしい。 肝心なことは何一つ分からなかった証人喚問。 真相解明にはほど遠いものであった。 もっと突っ込んだ調査と追求が必要である。 政官界と防衛商社の癒着の実態を明らかにするためにも、さらに証人喚問をして事実に迫るべきだと思う。

◆他人の金で遊んでのストレス解消するような者がトップに居座っていたこと自体が驚きだ。 どうして守屋氏のような倫理観もなく非行する者が事務次官という高い地位に就けたのか。 再発防止のためにも経緯を調べ、人事の有り様を抜本的に検討する必要がある。 また、人事の長期滞留や天下りを防止する対策を早急に講じなければならないと、切に思う。



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