Cherubの「つれづれ寸評」



◆バックナンバー◆


12月5日

 厳しい木枯らしが吹き荒れる12月になった。師走である。今年もホワイトイルミネーションが始まり、大通りの街路樹などの電飾が美しく輝いている。

◆今年も残すところ1ヵ月余り。「年の瀬」という言葉に1年の区切りを感じる。私事ながら、今年は嫌なことが多い年であった。また、老いを感じさせられた年でもあった。ベートーベンの「第九」でも聴きながら心を癒し、新しい年を迎えたいと思う。

◆今年一番の失態は、何といってもセカンドバックの置き忘れだ。それにしても、あのバックは何処へ? 拾われて誰の下にあるのであろうか。

・「年忘れ最も老を忘れけり」 (富安風生)

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12月25日

 冬至も過ぎ、雪のないクリスマスを迎えた。結構なことである。

◆今年は、わからなければ何をしてもいいということで、「偽」が流行った。倫理観の喪失した世の中で生きていることを思い知らされた1年であった。

◆ところで、世の景気はどうかについてみると、輸出産業が好調で回復基調にあるといえるものの、国内総生産(GDP)の6割近くを占める個人消費が今ひとつで、実感のある回復とはなっていないと思う。 食料品や日用品の値上がり、ガソリン・灯油の高騰で、家計の財布のひもは固くなるばかりである。

◆そこで、年明けの賃上げ交渉の成り行きが注目されるけれども、賃金が上がってもそれが貯蓄に回り消費につながらなければ内需拡大による景気への寄与は期待できない。
 賃上げにより個人消費を回復させるには、その前提として将来の不安を無くすことが必要だ。将来が不安であれば、賃金が上がっても老後のための資金を蓄えようとするので、賃上げは消費につながらないからである。

◆日本経団連は2008年春闘での経営側の交渉指針となる「経営労働政策委員会報告」をまとめ、賃上げを容認する姿勢を打ち出し、家計への配慮を示したけれども、今は正社員より低い賃金を強いられているパート、アルバイトなどの非正規社員の賃金を上げることだと思う。そうすれば、賃上げ分は消費に回り景気回復に貢献することとなろう。そして、これまでに稼いだ利益の配分としての賃金は賃上げよりも一時金で行うのが望ましいといえる。

◆原油高や米国経済の減速懸念など企業経営の先行き不安材料が多く、企業業績は落ち込むと見込まれる状況にある。好業績を上げている企業が賃上げを行っても生産コスト増につながらないが、その影響で賃上げの流れができれば、多少無理をしてでも賃上げをせざるを得ない企業も多く出てこよう。将来の利益を見込んだ賃上げはコスト増となり、賃上げ分の値上げが行われればインフレへの道である。
 モノの値段が継続的に値上がりし、通貨の価値が下落する「インフレ」で一番困るのは、年金生活者や社会的弱者である低所得者層である。賃上げでインフレにならないようにと願う。

<参照>
インフレとは


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