Cherubの「つれづれ寸評」



◆バックナンバー◆


9月3日

  福田康夫総理大臣が愚痴を言って退陣表明をした。愚痴を言いたいのはこちらである。快活さからは遠い総理大臣であった。

◆今後の政権運営に展望が開けなくなったからといって、途中で政権を投げ出す。職責の放棄であり、重大な背信行為である。その無責任ぶりに驚き、あきれるばかりだ。なんてこった。国政の最高責任者としての自覚がどれほどあったのであろうか。

◆それにしても、八月の内閣改造は一体何だったんだろうか。何一つ仕事もせずに、結果を残すことなく終えてしまうことになった。閣僚たちにとっては残念、無念であろう。

◆福田総理は、原油の値上がりに策を講じることもせず、成り行き任せだった。その結果がいまは物価の値上がりとなって跳ね返っている。ガソリンや灯油ばかりではない。最近の食料品や日常雑貨品のすべてが値上がりし、その値上がり幅の大きいこと。物によっては3割も高くなっているのだ。電気・ガスなど公共料金もしかりだ。

◆もはや、与党内での政権たらい回しは許される状況にはない。一日も早く解散総選挙に踏み切るべきである、と思う。政権が国民の信頼を得るには選挙の洗礼を受けるしかない。早く投票する機会が来るのを切望したい。民意を反映した政権は、結果として捻れた状況となっても強く、道は開けると思う。

◆総選挙では国のありよう、国の未来を見据えたしっかりとした選択をしなければならない。最近はマニフエストばやりだが、各政党はよく見せるためにマニフエストをつくる。誇張が多い。本音と嘘を見抜かなければならないから、われわれもしっかりと勉強をしよう。

↑トップへ


9月10日

  大阪市の米粉加工業者が非食用とされた輸入米(ミニマムアクセス)の「事故米」を政府から購入し、食用として不正に転売し、焼酎や和菓子に加工されていたという。われわれは一体、何を信じて食べ物を口にすればいいのか。

◆事故米はカビ毒アフラトキシンや殺虫剤メタミドホスが基準値を超えて残留する汚染された米のことで、食用として売ればどんなことになるか。そのことを知りながら、社長が指示してやっていた。不正転売だけでなく二重帳簿など隠ぺい工作もした「会社ぐるみ」の確信犯である。5、6年前からやっていたというから驚きだ。汚染米を食用に売るなど言語道断だ。人としての倫理のかけらもない。

◆有機リン系殺虫剤「メタミドホス」は毒性の強い農薬である。いまのところ健康被害の報告はないけれども、人々の健康を危険にさらす行為であり、悪質な犯罪だ。刑事事件として厳しく罰してほしい。そしてまた、購入した焼酎や和菓子の加工業者側は不正をまったく知らなかったのだろうか、という疑問もある。原材料についてしっかりと検査するのが当たり前なのだから・・・。「信頼していた」で済むものではないと思う。

◆それにしても、政府の食の安全管理が甘すぎる。事故米を業者に売却した後、不正利用されていないか定期的に監視していなかった。また、内部告発があったにもかかわらず、今までその実態を見抜けなかったとは情けない。

◆解せないのは、問題の多い事故米を外食事業なども手広く行う業者に販売していたことである。用途を考えれば、事故米は工業用のり加工業者に販売するのが常識ではないか。とにかく、他の事故米購入業者16社に対しても早急に点検すべきだ。今回の事態を深刻にとらえ、事故米の販売方法をただちに見直すとともに横流し防止策の改善を図ってもらいたいものだ。

◆食の不正は収まる気配がないこのごろ。食は命にかかわるものだけに、食品業者には高い企業モラルが求められる。食品を取り扱っているという自覚や強い責任感を持ってほしいと切に願う。

ミニマムアクセスは、高関税による事実上の輸入禁止を撤廃することが目的で作られた。1994年に「多角的貿易交渉」(ウルグアイ・ラウンド)で導入が決まった。日本は一定量(国内消費量の8%)の外国米を毎年輸入することを約束している。

↑トップへ


9月27日

 メラミン汚染の被害が拡大している。中国から輸入したクリーム、粉チーズなど牛乳を原材料とする食品から次々とメラミンが検出さているのだ。乳牛などの飼料にもメラミンが混入されていたことが分かった。牛乳への混入と同様に、たんぱく質含有量を高めるため、メラミンを添加した飼料を製造していたとみられる。中国ではメラミンの混入した粉ミルクが原因で、乳幼児に腎不全が多数発生している。深刻な事態である。

◆事の発端は、酪農家が牛乳の量を増やすために、水を入れて薄めるようとしたことにある。そして、品質検査でたんぱく質の基準をクリアーするためにメラミンを混ぜた。メラミンを混ぜると牛乳を水で薄めてもたんぱく質がたくさん入っているように見えることから、タンパク質含有量を贋造するために利用されたのだ。

◆1年以上も前にメラミン混入の中国製ペットフードを食べた犬や猫が大量死しした。この時点で対応していれば、今の事態は回避できたはずだ。放置していた中国当局をいまさら責めてもどうにもならないが、食に対する不安はいつになったら解消されるのであろうか。中国から輸入された乳及び乳製品のすべてについて、メラミン分析をして、一日も早くメラミンの混ざった食品の回収に取組んでもらいたい、と切に願う。


メラミンは、有機化合物で食器やトレーなどの原料や接着剤に使われている物質である。

贋造(がんぞう)とは、製品を良品に見せ掛けるために、本来使用されるべきでない物をまぜて見掛け上、良品に見せ掛けること。

↑トップへ

 

トップページ


Copyright(C) CHERUB All Rights Reserved.