Cherubの「つれづれ寸評」



◆バックナンバー◆


10月10日

  スウェーデンの王立科学アカデミーが、今年のノーベル受賞者に自然科学の分野で、4人の日本人研究者を選んだ。これで日本人研究者の科学部門の受賞は13人となった。うれしい驚きだ。日本人の快挙である。日本人として誇りに思う。

◆栄誉に輝いたのは、南部陽一郎(87)、小林誠(64)、益川敏英(68)、下村脩(80)の4氏である。4人もの人が受賞するのは初めてだ。日本人の研究が国際的に評価を受けたことを喜び、拍手を送りたい。 評価されたのは、50年から35年前の研究。遅すぎた感もある。生きている間に受賞されてよかった。

◆目に見える成果ばかりが評価されがちな今日において、今回のノーベル受賞の選定で基礎研究に光が当てられたことは、何の役に立つのか分かりにくい基礎研究の重要さを示すものだ。地味な基礎研究がいかに大切か、あらためて考えさせられる。若い基礎研究者は後に続いてほしい。

◆これを機会に、若者たちの科学への夢を膨らませるために、また頭脳流出を食い止めるためにも、研究に集中しやすい環境づくりに向けての整備を図ることが必要だ。探究に挑む人材育成の第一歩にしたいと思う。


ノーベル賞受賞者一覧

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10月18日

  メタミドホス入り「ギョーザ」やメラミン入り「粉ミルク」が未解決であるところに、今度は劇物に指定されている農薬のジクロルボス入り「インゲン」である。今回も中国産の食品から検出された。食の不安は次から次と出てくる。不安は強まるばかりだ。本当に困ったものだ。早く解決してもらいたいと思う。

◆インゲンには、輸入を許可する上限基準値(0.2ppm)の3万4500倍もの有機リン系殺虫剤ジクロルボスが検出された。吸い込んだりすると、頭痛や呼吸困難を引き起こす。急性毒性が強い。現地の加工工場では、今年1月に別の会社で中国製ギョーザ中毒事件が起きたこともあり、神経をとがらせていたというのになぜ、高濃度の殺虫剤が混入したのか。再発防止のためにも全力を挙げて真相究明に取り組んで欲しい。

◆インゲンは生育が早く、温暖な地域では1年に3度も収穫できるという。スーパーでは年中並んでいる馴染み深い野菜である。冷凍のインゲンを買わなくても・・・であるけれども、何でも安心して食べたい。

* 茹であげし莢隠元の浅みどり 吉田朔夏

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10月28日

  医療施設の充実している大都市で、脳内出血を起こした妊婦が8ヵ所の病院に受け入れを断られ、出産後に亡くなるという衝撃的な事件があった。死につながるたらい回しがなぜ起きたのか、残念でならない。

◆事件の背景には医師不足があるらしい。「東京ER」の一つでもある総合周産期母子医療センターの病院には9人いるべき産科医師は4人で、事故当夜は週末で、当直は30代の研修医が1人いただけということだ。なんと心もとないことか。驚くばかりだ。それにしても病院内部の連携や医療機関の連携などはどうなっているのか。関係者の意思疎通が不十分だったと思える。切迫した局面での対応のあり方に疑問を抱かざるを得ない。

◆産科は、他の診療科に比べ、過酷な勤務を強いられる。また、訴訟のリスクも高いため、志望する医学生が減っているといわれる。そうであるならば、政策的に実効性ある施策を講じて、産科医師不足に手を尽くさなければならないと思う。

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