Cherubの「つれづれ寸評」



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10月8日

 有機化合物の革新的な合成技術を開発した北海道大の鈴木章名誉教授と米パデュー大の根岸英一特別教授が今年のノーベル化学賞に米科学者と共に選ばれた。これで日本人の自然科学系での受賞は米国籍の南部陽一郎さんを含め15人となった。この快挙を一緒に喜びたい。日本人として誇りに思う。

◆この合成技術は「クロスカップリング反応」と呼ばれ、衣類や医薬品、テレビやパソコンの液晶の製造などに使われているという。価値ある研究成果を挙げながら、鈴木さんは特許を取らなかったことで、世界中の人が思い通りに使えたから、幅広い分野で使われて私たちの暮らしに大いに役立っている。権利意識が強い昨今、さわやかである。

◆この機会に科学技術立国を掲げる「日本の原点」を見つめ直したいものだ。資源の乏しいわが国は自然科学によって成長するしかない。だからこそ、世界でオンリーワンの研究をする若者が一人でも多く輩出する環境づくりを政治に求めたい。
 次世代スーパーコンピューティング技術の推進、探査機「はやぶさ」の後継機開発、有人宇宙開発などの計画など世界をリードする科学技術に「2位じゃだめなんですか」の考えは、次世代の技術者や科学者は育てるな!と言っているようなものだ。研究者や研究開発機構に金儲けしろという政治に明日はない、と思う。

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